2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

その六十八

昨夕ブックオフ長泉店で二冊。色川大吉「明治精神史(上・下)」講談社学術文庫1990年13刷、1988年9刷、計210円。 午前九時から正午までグラウンドワーク三島の事業地に、五十人あまりをスタッフとともにに案内。一晩中降り続いた雨が止み、歩くにはちょうど…

100年/一年/一分

昨夕帰りがけに本屋で注文した本、「高城高全集4 風の岬」創元推理文庫2008年初版帯付を受け取る。ついでに新潮文庫の「松本清張生誕100年記念」パンフレットをもらう。全ページ黒と赤で決めたレイアウトがいかにも、だ。 はす向かいのブックオフ長泉店でア…

40年

昨夜のNHKテレビ「その時歴史が動いた」、「わが会社に非あり〜水俣病と向き合った医師の葛藤〜」。を視聴。水俣病発症から1973年の熊本地裁の水俣病原告勝訴の決め手となったチッソ元医師の病床での証言までの歳月を追う。40年ほど前の記憶はわずかだけ…

出逢い

木田元「偶然性と運命」岩波新書2001年読了。二回目だけどやはり難解。日本の西洋の哲学者の言説を紹介しながら彼らの思索の道筋をたどり、そこから導き出される時間性の再構造化という視点。「本来的時間性──つまり、現在の偶発事が機縁となって将来へのあ…

新たな出会い

日曜日までの企画展のキャッチコピーは「新たな出合い」。昨日は「新たな出会い」があった。昨日午後沼津駅から南へちょっと歩いたさびれた商店街、アーケード名店街と沼津銀座を女友だちと漫遊。呼び名どおり子どもの頃はここが沼津市のみならず静岡県東部…

休館日

昨日の毎日新聞、よしもとばなな「彼女について」文藝春秋への三浦雅士評が興味深い。「村上春樹の小説が欧米でよく読まれるのは、ほんとうはこの世とあの世の関係を描いているからだ。よしもとばななや小川洋子の小説もそうだ。なぜ欧米か。欧米では天国も…

軽い文庫本

昨日ブックオフ長泉店で見送った文庫本を買う。鮎川哲也「朱の絶筆」講談社文庫1994年初版、同「ペトロフ事件」講談社大衆文学館文庫1996年初版、林望「ホルムヘッドの謎」文春文庫1995年初版、計315円。鮎川は後者はダブリだけれど、大衆文学館文庫なので。…

軽い短篇

有栖川有栖・太田忠司・麻耶雄嵩・若竹七海「血文字パズル」角川スニーカー文庫2003年を読んだ。スニーカーという呼称に合った軽い四短篇。オバマならぬオバカ・ミステリに近いが面白くてスラスラ読めてしまう。スラスラ進まないのが、木田元「偶然性と運命…

好みの短篇

昨日のつづき。エンターテイメント分野から。 赤江瀑 「獣林寺妖変」 泡坂妻夫 「椛山訪雪図」 大坪砂男 「花売娘」 香山滋 「海鰻荘奇談」 中井英夫 「チッペンデールの寝台」 星新一 「鍵」 三島由紀夫「仲間」 山尾悠子 「夢の棲む街」 夢野久作 「瓶詰の…

名短篇もっとある

昨日の「名短篇、さらにあり」ではないが、名短篇もっとある、と自分好みのアンソロジーを編んでみたくなる。泉鏡花「薬草取」、稲垣足穂「或る小路の話」、川端康成「片腕」、石川淳「鷹」、太宰治「魚服記」、山川方夫「愛のごとく」、安岡章太郎「質屋の…

コピー〜逡巡〜投函

「美術手帖」2月号の椹木野衣氏の展覧会レビューをコンビニで何枚もカラーコピー。順次投函。しばし誰に送るか迷う。油彩画家は評価するけど味戸さんの絵には首をかしげる人、味戸さんのファンだけれども「美術手帖」をまず手にしない人、素直に喜んでくれ…

「味戸ケイコ──生命現象が描く」

きょうの題は、昨日触れた「美術手帖」2月号の椹木野衣氏の展覧会レビューの題。活字で読むと、あらためて感銘を覚える文章だ。引用したいが、全部引用したくなるので、表紙(トップページ)に一行だけ掲載。 昨晩ブックオフ三島徳倉店へ自転車で行く。霞流…

休館日

夜中中降っていた雨が止んで春のような暖かい陽気。昨日の毎日新聞コラム、東国原英夫「好きなもの」は、 1 走ること 2 本のある部屋 3 文章「本がぎっしり詰まっている本棚のある部屋が好きだ。」 「本棚に詰まった本を、時々、端から端まで眺めるのが好…

キノコムシ

昨晩はネットゲリラ氏の「農と漁の接点・三島の謎とは 〜伊豆国君沢郡と海の民〜」という題目の講演を近所のホールで聴く。四十人ほどの参加者は、面白かった、知らなかった、また聴きたいと口々に感想を述べる。同感。誘われて打ち上げに参加。氏から伊豆西…

居心地がいい

昨日来館したベテラン商業写真家が「居心地のいい空間だった」と感想を述べたことを人づてに聞く。うれしい。 小沢昭一「ぼくの浅草案内」ちくま文庫2001年で、永井荷風の説、踊り子たちは家庭に入るとダメ女になる、に異論を唱えている。「『手にとるな、や…

「カワイ〜イね」

レジ袋を提げて初めてご来館のご近所のギャル二人は銅版画の蔵書票や100号の油絵を前に「カワイ〜イね」を連発。かわいいねえ。郵便局で「はろう きてぃ」の「ひな祭り」80円切手1シートをつい買ってしまうおバカな私。 去年の暮れにボランティアを一緒に…

「つむじ風食堂の夜」

昨日買った吉田篤弘「つむじ風食堂の夜」ちくま文庫を読む。薄くて読みやすい本なのですぐに読み終えた。今読んでよかった。今の私にほっと寄り添ってくれる温かい物語だった。 「食堂に集う人々が織りなす、懐かしくも清々しい物語。」 裏表紙のこの紹介文…

お買いもの

ブックオフ長泉店で二冊。カズオ・イシグロ「私を離さないで」ハヤカワepi文庫2008年初版、吉田篤弘「つむじ風食堂の夜」ちくま文庫2005年初版、計210円。

地球温暖化?

満月の夜はこんなにも明るいのかとあらためて感じ入った昨夜、寒いのをものともせずに自転車に乗って夜のお散歩と出かけた(半分ウソ)。ブックオフ三島徳倉店で二冊。鳥飼否宇「非在」角川書店2002年初版帯付、泡坂妻夫「しあわせの書」新潮文庫2004年11刷…

休館日

枕もとの時計が午前九時過ぎなのに外は賑やか。ヘンだなあと起き出して他の時計を見ると午前十一時半。休館日でよかったわあ。午後美術館へ来る前にブックオフ長泉店で三冊。米原万里「必笑小咄のテクニック」集英社新書2006年11刷、殊能将之「キマイラの新…

成人式・どんど焼き

コンビニ店の前に袴の若い男がいて、成人式と気がついた。餅の付いた竹ざおを持つ親子連れに、どんど焼きと気がついた。穏やかな日本の風景。それにしても寒いわ。今朝は三島市で氷点下3.8度。 毎日新聞読書欄、中村稔「好きなもの」は、1・文学展の企画、…

鞄の中身/マックス・エルンスト

「財布の中身」つながりで吉行淳之介「鞄の中身」講談社1974年11月28日刊を読む。「たやすく鞄の中に入ってしまった。その鞄を提げて逃げる。」「おい君、鞄をあけたまえ。」 下の文はマックス・エルンスト「百頭女」河出書房新社1974年12月25日刊の「第三の…

財布の中身

朝、雨はほとんど止んだので自転車で美術館へ。しばらくすると再び本降り。そして雲が割れて光が射す。おお、雨粒が光の筋となって輝いている。これは美しい。 昨夕ブックオフ長泉店105円棚で見つけたちくま文庫二冊、天野祐吉「バカだなア!」1995年初版、…

桃花村

加藤郁乎「江戸櫻」には師と仰ぐ詩人吉田一穂(いっすい)を詠んだ句がある。 まれびとは無冠の詩人桃花村 本棚から吉田一穂「随筆集 桃花村」彌生書房1972年を取り出す。これは「吉田一穂大系」仮面社1970年の第二巻「詩論」、第三巻「随筆・童話」からの抜…

七草/一二三四五六七

二昔も前、俳句の加藤郁乎(いくや)氏から届いた年賀状に記されていた一句。歳旦の詞書。 年立つや一二三四五六七 平伏。この句、「江戸櫻」小沢書店1988年に収録されている。この句集から。 秋立つとさやかに前をおさえけり への字よりくの字にもどる裸か…

ネオン/イルミネーション

東京日比谷公園の年越し派遣村をテレビで観て、NPO法人が行政を引っ張りまわしている図に感心。グラウンドワーク三島を連想。こちらも行政が無視できなくて追認追随している。興味深い変革時代の幕開けがこの年越し派遣村だろう。あの映像を観て以下の俳…

休館日/かもめ

昨日話題にした寺山修司→かもめの連想。寺山には「かもめ」という素晴らしい童話(?)がある。心に深く沁みる掌編。また、浅川マキのファーストアルバム「浅川マキの世界」1970年には寺山作詞の「かもめ」。ひねりの効いた印象的な歌。短歌には意外と少ない…

初日

「新春 粋な作品展」初日。 昨日買った寺山修司「花嫁化鳥」中公文庫は、表紙絵が蕗谷虹児の「語らい」1948年で、それがとてもステキ。黒田杏子「俳句と出会う」小学館ライブラリーで三橋敏雄の句 かもめ来よ天金の書をひらくたび に出合う。かもめ……寺山修…

年始休館

昼食前に今しか見られない小学校校舎工事現場の写真を撮る。昨日十年ほど使ったアナログカメラが故障。「写ルンです」を購入して撮る。昨日はビデオデッキもオシャカ。時代の移り変わりを感じる。近所の葬祭会館では大晦日にお葬式、昨夕はお通夜。知人女性…

年始休館

暮れから読んでいた木田元「ハイデガーの思想」岩波新書1993年を昨夜遅く読了。知的探求に思わず奮い立った著作だ。高校生の時、三木清「哲学入門」岩波新書を読んで、現実が足元から揺らぐとき、そこから哲学が始まるといった文章にこれだ、と奮い立ったけ…