2010-12-01から1ヶ月間の記事一覧

大晦日

昨夕、仕事を終えて駆けつけてくれた友だちのデザイナーに、展示のレイアウトをみてもらう。さっと決まる。よしよし。きょうは絵の展示。 この一年を振り返る。水木しげる、つりたくにこの展覧会ができたこと、その企画のなかで、新たな展開へつながる素晴ら…

 へんな街

昨夕帰りがけにブックオフ長泉店で二冊。青木玉『幸田文の箪笥の引き出し』新潮文庫2000年初版、『ポケット詩集 II 』童話屋2001年初版、計210円。後者は私の好きな文庫版の堅本。夜、読んでしまう。素敵に素晴らしい詩ばかり。大部分が初めて読む詩だった。…

永遠をめざす

きょうは展示に使った額を収納。 長年の不明が、快刀乱麻を断つようにはっとワカル、解決することがある。一昨日の愛と恋の違いが典型例。長々しい言い回しから簡潔簡明な言葉に。昨夜、何か本を読もうと、積読本の山を崩して小沼丹『懐中時計』講談社文芸文…

12月27日(月) 休館日

昨晩、寒さにも強風にもめげず自転車でブックオフ三島徳倉店へ。『若山牧水歌集』岩波文庫2004年初版、作者不詳『ペピの体験』ロマン文庫1979年5刷、計210円。行けば気分スッキリ。 昨日の毎日新聞、読書欄「この人・この3冊」は平野啓一郎・選「三島由紀…

撤収

つりたくにこさんのマンガ原稿を片付ける。 昨日の三島由紀夫「鏡子の家」に関連して、出久根達郎『百貌百言』文春新書2001年の「あとがき」から。《書いていて、人と人のつながりの面白さを、存分に味わった。人は思いがけぬ場で、知らずに意外な人と遭遇し…

つりたくにこ展最終日

きょうも強風。寒い寒い。朝は向かい風になるので、自転車運転は一苦労。でも、軽々と走っているように装う。ふう。 日本海側は大荒れ。「日本海側一県置きに美人説」。秋田美人、越後(新潟)美人、加賀(石川)美人、京都美人。 つりたくにこ展、水木しげ…

「メリー・クリスマス!」

昨晩、NHKテレビで日本のベテランジャズメンの名古屋公演を編集、放送していた。うーん、イマイチの演奏ばかりだ。若き日のキレのあるスリリングな演奏と較べるのは場違いか。 昨夜11時台のNHKのニュース番組で、海外への産業基盤の売り込みは、韓国…

魔の山

朝、源兵衛川の工事現場の不具合を検討して美術館へ。いよいよ風が強い。この不景気風の中、新しく店を開く人たちがいる。向こう見ずというか、無鉄砲というか、言って委員会。 トーマス・マン『魔の山』をやっと読了。夏には読み終えているはずがこんなに延…

マンガのモデル

つりたくにこさんと一緒に東京大泉でアパート暮らしをしていた女性が高砂市からお友達と来館。展示を「懐かしい〜」と喜ばれる。ガロを手に取り、「ここのベタ塗りは私がしました」。また、マンガのモデルをいろいろ教えていただく。マンガ家のあすなひろし…

精一、健一

昨夜はサンバ歌手故クララ・ヌネスClara Nunes のベスト盤CDの20曲を聞き通した。私にはこの勢いが必要だ。それにしても故人の動画をいくつも見られるとは、いい時代になったものだ。 吉田精一『文学概論』を通読。これは文学を志す人にはいい手引き書だ…

十九世紀の小説

つりたくにこ展に土曜日、東京から来館された素敵な女性、コミックマーケットの創始者米澤氏の未亡人だったことをネットゲリラ氏の記事で知る。《土曜日に、たまたまコミケットの米澤未亡人が来ていたんだが、》 K美術館で待ち合わせをされ向いの鰻屋へ食事…

休館日

きょうは上天気。でもお蒲団のなかでグズグズ。冬はこれが気持ちいい。 昨日の続きみたいなことで。橋本治『江戸にフランス革命を! 』、「その後の江戸──または、石川淳のいる制度」で橋本治は書いている。《ヨーロッパじゃ「小説は十九世紀で終わってる」…

江戸にフランス革命を!……?

橋本治『江戸にフランス革命を! 下』中公文庫は読みどころ満載。たとえば「安治と国芳──最初の詩人と最後の職人」から。《浮世絵は初めからオリジナルに版画なのであって、別に"名画の複製"を前提にしたものではない。肉筆画というのは、そのオリジナルな複…

士農工商

昨晩はグラウンドワーク三島の忘年会。女子大学院生に受け、女子大生には受けなかった小咄。《鉛筆と掛けてなんと解く? キャミソールと解く。》《その心は?》《ちょっと薄いところがHです。》 昨日の続き。橋本治「彼は一体なにを怒っていたのだろうか?─…

平賀源内

つりたくにこ展に助力してくださった平野雅彦氏に途中経過を報国。折り返し嬉しいメールが届いた。《この展覧会はものすごい意義があることだとおもいます。 絶対にこの先、きちんと評価されるときが来ます。》 水木しげるは『東西奇ッ怪紳士録』小学館文庫2…

「不連続殺人事件」

朝、源兵衛川上流部に新規に設置する飛び石の事前の打ち合わせを現地で行う。 坂口安吾『不連続殺人事件』双葉文庫1995年初版を読んだ。終戦間もない昭和22年に連載が始まったこの本格探偵小説、色情狂と好色漢たちがわんさと登場。正妻、妾、愛人、隠し子…

「静けさ」に守られ遺体回収

昨日の続き。6回「90年 レバノン内戦」から。レバノン南部サイダの山岳地帯。≪丘を登るにつれ、ポツリポツリと死体が現れる。(引用者:略)敵軍が集めて倉庫に詰め込んだ死体の束があった。夏の暑さで紫色に膨れ、正視できない状態だ。死体の腐臭は一度か…

戦場で中立を保つ

毎日新聞に隔日連載されている「赤十字の男 中立を闘った25年」が読ませる。スイス人ミシェル・ミニグ58歳。今年赤十字を退職した彼は、25年間世界の紛争地の只中にいた。86年イラン・イラク戦争、87年ニカガグア内戦、90年レバノン内戦、93年ボスニア紛争、…

休館日

休館日。新聞は休刊日。昨日の毎日新聞、「2010年『この3冊』」。挙げられている数十冊の本は、一冊も重なっていないようだ。そして、一冊も持っていないわあ。推薦図書がこんなにあると困ってしまう。そそる本は値が張る。 芳賀徹『藝術の国日本』角川学芸…

新聞挿絵

友だちから電話「アンコーもらった」。あんこかあ、おしるこでもするのかな、と思ったら鮟鱇だった。アンコ椿は都はるみ。「アンゴウ」は坂口安吾の小説。アンゴウとは暗号のこと。創元推理文庫の『日本探偵小説全集 坂口安吾集』で再読。じいんと来るいい短…

音楽音楽

昨日、お昼前に近所の植木屋さんが尺八を持って来館。展示室で一節吹いてゆく。響きがいいねえ、と喜ばれる。いつでもどうぞ〜、と見送る。帰り、交差点で若い女性に声をかけられる。この前、彼女のインドネシア人の夫のために、インドネシアの大衆音楽ダン…

幻想文学とは

昨夜、オイルヒーターを出す。いよいよ冬。今朝は畑に霜。寒いはず。 昨日の続き。『幻想文学』33号特集「美と幻妖の系譜 日本幻想文学必携」で「日本幻想文学・時代別10選 昭和戦後篇」を笠井潔が執筆している。その10作。≪水上勉『飢餓海峡』、横溝…

十八年前

昨日の『幻想と怪奇』と一緒に出てきた雑誌が『幻想文学』33号特集「美と幻妖の系譜 日本幻想文学必携」幻想文学出版局1992年。十八年前か。こちらでは「日本幻想文学 オールタイム・ベストテン」が目玉。ちょっと紹介。一位・泉鏡花「高野聖」、二位・内…

三十六年前

雑誌を整理していたら、『幻想と怪奇』第6号「幻妖コスモロジー 日本作家総特集」歳月社1974年が出てきた。そういえば持っていたなあ。おぼろな記憶。しばし読みふける。森銑三「仕舞扇」、藤沢衛彦「妖術者の群」は、記憶にない作品だ。紀田順一郎と荒俣宏…

甘いだけじゃあねえ

昨夜女友だちと電話で最近の洋菓子について話した。洋菓子でもなく、ケーキでもなく、スイーツと最近呼称されている菓子は、甘味と柔らかさが突出して、味が平板になっているのでは、で一致。昨晩親戚からおすそ分けでいただいた某老舗の羊羹は、小豆の甘味…

休館日

昨夕帰りがけにブックオフ長泉店で二冊。島田荘司『異邦の騎士 改訂完全版』講談社文庫2003年12刷、神吉拓郎『たべもの芳名録』文春文庫1992年初版、計210円。後者は、『この文庫が好き!』朝日文芸文庫1998年で坪内祐三の≪最後は私の好きな文章だけをノンジ…

ワンルームの響き

昨夜音楽をかけたら、音像がいっそう鮮明になった。R&Bのサム・クックの50年近く前のライヴCDなんか、会場のど真ん中にいる印象。ライティングデスクの無垢板が音の反響をうまく調節したとしか思えない。続いてアルジェリアのシェブ・ハレドのワールドデ…

ワンルームの人生

昨夜思い立って天井まである扉付CD棚を移動、そこへ別の部屋にあるライティングデスクをえんこらしょ、と運び入れた。目一杯入っているCDとビデオテープを取り出し、棚だけにして移動。デスクも引き出しと本を出して移動。それでも重い。ギックリ腰にな…

三千円/三百万円

未明は大雨、朝も雨だったけど、午前九時を過ぎたら急速に回復。自転車で美術館へ。途中、犬とお散歩中の林由紀子さんにご挨拶。銀座のスパンアートギャラリーで売り始めた銅版画、好調のようでなにより。一枚三千円では欲しくなるわあ。 昼前、知人から電話…

モダニズム

菊地成孔(なるよし)+大谷能生(よしお)『東京大学のアルバート・アイラー 歴史編』文春文庫2009年初版を読んだ。これは面白くてタメになる本だ。ツッコミどころはあるけど、オススメ。≪モダニズムっていう芸術運動は本当に多岐にわたっているからさ、各…