2014-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「腕貫探偵 残業中」

晴天、春の陽気に誘われてブックオフ長泉店へ。安部公房『R62号の発明・鉛の卵』新潮文庫2012年38刷、高田瑞穂『新釈 現代文』ちくま学芸文庫2009年6刷、計210円。 西澤保彦『腕貫探偵 残業中』実業之日本社文庫2013年7刷を読んだ。昨日の続編。「残業中…

「腕貫探偵」

一昨日昨日と、心身がやや変調をきたしていた。高木彬光『影なき女』角川文庫も、トリックがよくわからぬままだったけど、きょう再読してよくわかった。昨日の矢崎存美『ぶたぶた洋菓子店』光文社文庫も、付箋を貼ってあるのに見逃していた。(生きているぬ…

「ぶたぶた洋菓子店」

天気晴朗なれど気分低迷。こういうときこそぶたぶたさん。昨日買った矢崎存美『ぶたぶた洋菓子店』光文社文庫2013年初版を読んだ。森の中の洋菓子店。悩める人たちにもほのかな温もりと灯りを点す山崎ぶたぶたさんの洋菓子。退職して帰省した三十路の女性は…

「影なき女」

昨日ふれた高木彬光『影なき女』角川文庫1979年5刷収録「影なき女」(1950年発表)を読んだ。五十頁ほどに三つの密室殺人という早い展開。そのまま劇画にできそう。シベリア抑留が背景になっている。 昨日芦辺拓が挙げていた探偵の出る作品を一篇列挙してみ…

「日本近代文学の起源」

文庫本を少し整理。積読本に紛れている岩波文庫翻訳ものを小さな段ボール箱に収める。到底入りきらないけど、小さくないと背文字が見えないし、腰を痛める。考えたすえ、床積みの文庫本は出版社別にまとめるのが、私には合っている。しかし、これだけで音を…

「世界はゲットーだ!」

人の作ったものはすべて古くなる、古臭くなる作品が殆どだろう。流行、嗜好の変化と作品の劣化にもかかわらず生き残る(後世が評価する)作品は、文学であれ美術であれ音楽であれ、ごくわずかだろう。先日CD棚を漁って、思い出したように取り出したウォー …

「奇妙な本棚」

味戸ケイコさんから季刊『詩とファンタジー』最新号「やなせたかし追悼号」かまくら春秋社を恵まれる。宇野亜喜良が描いた表紙のやなせたかしに敬礼する少女が何ともいい。味戸さんの個展が五月に東京青山の画廊で催される。その画廊では二十年ぶりかな。 昨…

「狂熱のデュエット」

朝イチで斜向かいの床屋へ。源兵衛川をはさんで鰻の桜家。行列している客が川を見下ろしてびっくりしている表情が面白いと店主が言う。地元民にはどうってことのない川に感激するのを不思議がる地元民。毎日仰ぎ見る富士山を不思議に思わないのと同じ。先だ…

「I've Been There...」

普段音楽を聴くのは夜。きょうは朝聴いている。まずは当然、リー・モーガン Lee Morgan 『ザ・サイドワインダー THE SIDEWINDER 』。「朝から賑やなこった」と陰口をいわれそう。そんなことを危惧したらネットにこんな記事。《 個人向けダンボール防音室 だ…

「叢書 ウニベルシタス」

三島市の南端、松毛川河畔の放置竹林伐採ボランティアに参加。きょうは女子大生がいないので張り切らない。そのつもりだったけど、つい頑張ってしまった。暑くてしばしワイシャツ一枚に。ふう。すごい音のする竹破砕機で竹を粉砕するのだけれど、竹と一緒に…

「闇のなかの黒い馬」

東京西荻窪の書肆盛林堂から刊行されたバアナアド・ショウ『船長ブラスバオンドの改宗』松村みね子・訳が届く。いつ読むか。今じゃないことは言える。 埴谷雄高『闇のなかの黒い馬』河出書房新社1970年初版を再読。駒井哲郎の漆黒をイメージした銅版画の装丁…

「構造とリズム」

『知の論理』、昨日の小論文石光泰夫「言葉が身体と化す」に続くのは、石田秀敬(ひでたか)「構造とリズム」。ソシュールの記号論とパウル・クレーの絵画を題材に論じている。 冒頭、新小岩の布谷東京ビルが写真入で紹介されている。《 まるで地震でずれ落…

「言葉が身体と化す」

晴天。富士山は雪煙。夕刊と朝刊が朝遅く来た。温かい陽射し。近所のスーパーのパンの棚はガラガラ。山梨県(他の地区も)、非常事態だ。《 精進湖周辺で孤立しているホテル3カ所には食料、毛布をヘリで輸送している。 》 http://www.sannichi.co.jp/local/…

「ことばと欲望」

昨夜の雪が融けだして道路はビチャビチャ。朝刊来ない。融けるまで家こもり。夕方小雨、朝刊来る。夕刊来ない。雪残る。 昨日ポール・ヴァレリー『テスト氏』を再読したのは、先だって買った川本皓嗣/小林康夫・編『文学の方法』東京大学出版会1996年初版に…

「テスト氏」

冷たい雨の午後、坂戸市から三十人余りがグランドワーク三島の事業地視察に。境川清住緑地と源兵衛川上流部など案内、その後市民活動センター会議室で講義と質疑応答。午後五時帰宅。ふう、疲れたあ。井川遙のサントリー・ハイボールのCMになごむ。 http:/…

「死蝋の市場」

島田一男『死蝋の市場』光文社文庫1989年初版を読んだ。蝋(ロウ)は本来は旧字体。1965年の発表。「刑事弁護士南郷次郎」シリーズ。しょっぱなから「読むなら今でしょ」だ。御茶ノ水駅の夜。《 雪はいよいよ激しく降りしきり、地上のもののすべてを白くつつ…

「その灯を消すな」

島田一男『その灯を消すな』春陽文庫1975年初版を読んだ。1957年の発表。一昨日の『上を見るな』につづく「刑事弁護士南郷次郎」シリーズ第二作。事件の舞台は福島県に近い栃木県北部の山間にある、平家の末裔を名乗る十三戸からなる部落。《 七百年の夢に包…

「銀界」

昨日引用した高山宏の文は、安西信一『イギリス風景式庭園の美学−「開かれた庭」のパラドックス』 東京大学出版会への評から。 http://booklog.kinokuniya.co.jp/takayama/archives/2007/10/post_29.html#.UvhyVYSgxGI.twitter 朝刊にその安西信一の訃報。享…

「上を見るな」

島田一男『上を見るな』光文社文庫1986年初版を読んだ。元本は1955年の刊行。九州島原半島の旧家の長男たち三人が戦争に出兵し、十年にわたるシベリア抑留から帰還したところから相続がらみの複雑な問題が生じる。そして引き起こされる連続殺人。戦争が招い…

「おふくろの夜回り」

穏やかな陽気。体慣らしにブックオフ函南店へ自転車で行く。昨日の雪のせいか、136号線は交通量が少ない。有栖川有栖『新版 ダリの繭』角川書店1999年初版帯付、綾氏行人『深泥丘奇談・続』MF文庫2013年初版、三浦庸『シベリヤ抑留記 一農民兵士の収容所記…

「地図のない街」

雪、風。♪雪は降る〜あなたは来ない〜♪ ♪風雪流れ旅〜♪ 昼過ぎには積雪〜。歩くと滑りそう。私は家こもり〜。昨日より少し暖房の目盛りを上げる。昨日より少しアンプの目盛りを上げる。九時から十時半へ。晩から夜になった目盛り……メモリ〜。音量は思いのほ…

「追想五断章」

ネット注文した樽見博『戦争俳句と俳人たち』トランスビュー2014年初版が届く。3360円。高い新刊も買う。たまに。 寒い。部屋にこもる。米澤穂信『追想五断章』集英社2009年初版を読んだ。松本市に住む二十六歳の女性から、武蔵野にある古本屋に彼女の父が書…

部屋にこもってばかりもいられない

朝、近くの瓦屋根には雪たまり。初雪。お題を入力、変換したら「部屋二個持って」。そりゃ豪勢な。部屋を暖める。《 暖房や地中海的皿の中 加藤郁乎 》 昼過ぎ、茨城県からの源兵衛川視察の案内。無事終了。曇天、冷えたあ。「ゴーストライター 新垣隆氏 記…

『神曲』「天国篇」

寒いので家こもり。午後友だちのお誘いに乗りブックオフ沼津南店へ行く。途中小雪がひらひら舞う(今冬初めての雪)……終わり。池澤夏樹『スティル・ライフ』中央公論社1988年初版、片岡義男『誰もがいま淋しい』角川文庫1984年初版、計210円。初めての片岡義…

横断的拾い読み・敗戦後

昨日はフライング気味に暖かかったけど、立春のきょう、どこが春じゃ。ブックオフ長泉店で二冊。袖井林二郎『拝啓 マッカーサー元帥殿 占領下の日本人の手紙』中公文庫1991年初版帯付、『女たちの八月十五日 もうひとつの太平洋戦争』小学館ライブラリー1995…

「芸術はおもしろい」

某ブログにエドワード・D・ホック『サイモン・アークの事件簿V』 創元推理文庫を購入とあり、ホックの本を眺める。『ホックと13人の仲間たち』ハヤカワポケットミステリ1978年初版を先ず買ったかな。それからハヤカワポケットミステリでは『密室への招待』…

「煉獄篇」

未明からの雨は暖かい雨で昼には止むという予報は大きく外れた。降る雨に動きが鈍る。低調な気分。なんか悪い予感……が当たる。トイレの床が水だらけ。あれまあ。水槽内の浮き玉の動きが悪い。おいおい、連動するな。まあ、水が少し溢れただけでよかった。 ダ…

「煉獄篇」へ

深沢幸雄の銅版画『地獄篇』シリーズ9点1956-1957年をあらためて図録で観る。四十センチ四方に満たない大きさだけれども、豊かな想像力が漲って、ちょっと身を引く迫力。 明後日の講演で展示するこまごましたモノを引き出しの中、戸棚の奥、机の下、段ボー…