2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『子どもたちに語るヨーロッパ史』後半

ジャック・ル・ゴフ『子どもたちに語るヨーロッパ史』ちくま学芸文庫2009年4刷、後半「子どもたちに語る中世」 を読み読了。 《 ひとはユダヤ教徒として、あるいはムスリムとして生まれますが、キリスト教徒として〈生まれる〉ことはない のです。入信者の頭…

『子どもたちに語るヨーロッパ史』

ジャック・ル・ゴフ『子どもたちに語るヨーロッパ史』ちくま学芸文庫2009年4刷、前半「子どもたちに語る ヨーロッパ史」を読んだ。後半は「子どもたちに語る中世」。 《 十字軍によって西ヨーロッパの人びとのあいだに軍事的拡張という危険な精神が芽生え、…

「隙間抜ければここはどこ?」

昼前、グラウンドワーク三島事務局で若い職員に、観光客から見て近辺の穴場=一見の価値がある見どころを 手持ちの写真で説明するが、ええい面倒。雨の中へ出て近場を歩く。彼も馴染みの道でも言われてみれば、 ああそうか、面白い、という見どころを教える…

『キッチンぶたぶた』

昨日の毎日新聞夕刊、田中優子のコラム「江戸から見ると」から。 《 規制緩和は、その規制が技術の進歩や社会の変化に合わなくなった時、さらに質の高い社会を目指す ためにおこなわれるべきもので、そこから言えば、厳密には規制変更であって緩和ではない。…

「途上にて」

記憶が確かなら、今世紀一泊以上の旅に出ていない。すなわち日帰り旅のみ。二十代は旅にあこがれ、 いろいろな所へ、といっても九州、沖縄そして新潟富山石川和歌山の各県は、未だにかすってもいない。 岐阜県は新幹線で通り過ぎただけ。これで旅が好き、と…

『天使の復讐』

山田風太郎『天使の復讐』集英社文庫1997年初版を読んだ。六短編を収録。短いがゆえに 引き締まった文章、じつに濃密。最初の「狂風図」は、昭和二十五年の二月号の雑誌に発表。 よって書かれたのは前年だろう。舞台は敗戦前後。 《 冷たい掌をあずけたまま…

「なぜ日本の定型詩は短いのか」

今朝はこの冬一番の冷え込み。早朝顔が寒くて目が覚めた。だからといって起きるわけじゃない。 定刻までお布団でぐっすり、頭すっきり。 若い知人女性からずっと前に貸した二冊の本、田中小実昌『コミさん ほのぼの路線バスの旅』 日本交通公社1996年初版と…

『一九○○年前夜後朝譚』つづき

昨日の拙ブログへ反応。 《 東武東上線に乗っていて志木駅が近づくと、電車内のディスプレイに まもなく しき という表示が出て、おれもいよいよかと思ってしまいます。 》 昨日のブログ、子規が式、指揮、四季、敷、士気、志木、死期……なかなか変換されない…

『一九○○年前夜後朝譚』

午前一時半、五時半に地震で起きる。揺れから近いと判断。震源は熱海沖相模湾。 雨の予想なので昼食後に食料買い出し。睡魔が襲い、少し寝て起きると小雨。雪にはならんな。 大岡信『一九○○年前夜後朝譚』岩波書店1994年初版、前半を再読。 《 われわれ東洋…

「時折、目に、耳にしたくなる」

夕食時、午後五時半過ぎ(早!)にテレビをつけると和久井映見のCM「一度は食べていただきたい熟成 チーズ鱈」が目に入る。しょうがねえなあ、昨日近所のスーパーで購入。昨夜、赤ワインのつまみに試食。ん? これいける。安物の赤ワインに合う。しばらく…

「五輪・七輪・島レモン」

オリンピックが話題のせいか、五輪真弓を「ごりん」と若い人は読む。だろうな。倉庫奥に鎮座している 七輪(しちりん)は知っているかなあ。五輪真弓の十五曲入りベスト盤CD『MAYUMI ITSUWA』 1986年を聴く。思い上がった流行語「ジャパン・ア…

『フライデーあるいは太平洋の冥界』

訃報に接しなければまだ読まなかったミシェル・トゥルニエ『フライデーあるいは太平洋の冥界』 岩波現代選書1982年初版を読んだ。デフォー『ロビンソン・クルーソー』を元にした上書き小説か。 元本をまともに読んでいないので、なんとも言えないが、文明、…

「制作問答」

昨晩、東京中野の美術家大坪美穂さんに電話。ヨシダ・ヨシエの葬儀に参列してきた、と。 ヨシダ・ヨシエ『手探る・宇宙・美術家たち』樹芸書房1989年初版を本棚から抜く。目次には 大坪美穂さん、上條陽子さんらの名前。私たちより上の世代、戦後美術を牽引…

「黒の過程」

埴谷雄高『散歩者の夢想』ランティエ叢書1997年初版を読了。酒飲みの文士の話など、 いかにも、で面白い。まあ、酒の上の不埒、武勇伝は枚挙にいとまがない。引用するほどでもない。 昨日のハリー・クラークへの記述《 漆黒を我が物にしている。 》という拙…

『散歩者の夢想』つづき

埴谷雄高『散歩者の夢想』ランティエ叢書1997年初版を読み進める。半世紀近く前に読み、 大いに影響された「存在と非在とのっぺらぼう」が再録されている。 《 それは、こんなふうに起った。高いコンクリートの階段の上で下方へ向ってのばした片足の 先端が…

『散歩者の夢想』

埴谷雄高『散歩者の夢想』ランティエ叢書1997年初版を少し読んだ。久しぶりに読む埴谷雄高の文章は、 先だって読んだ同叢書の青山二郎の文を《 あるくだりを抜き書きすると、曲折に富む文章の趣旨から外れて解釈されるおそれがあるが。 》 と記したが、それ…

『夏の光』

原和男氏から新作詩集『夏の光』狼境舎2015年12月25日刊(自費出版)を恵まれる。堅牢函、堅牢本、 皮革背装。百頁。私好み。手触りを愉しむ。さり気なく凝った瀟洒な本だ。礼状を投函。 《 最初の植物のしずく最初の動物のしずく最初の無生物のしずくを歌い…

『 Wisky Voice 』

今朝は寒っ。真冬到来。自転車に乗りたくなくなる。ぐずぐず。ネット注文した古本三冊が届いた。 近所の郵便局へ歩いていく。二千円でお釣り。昨日お題の青山二郎『骨董鑑定眼』のランティエ叢書を 眺めていて欲しくなった。ブックオフの100円棚で買っていた…

『骨董鑑定眼』

青山二郎『骨董鑑定眼』ランティエ叢書1998年初版を読んだ。青山二郎の文は初めて。 あるくだりを抜き書きすると、曲折に富む文章の趣旨から外れて解釈されるおそれがあるが。 《 勿論、魯山人の作品が、過去に於て最高だった等と言う意味ではない。魯山人も…

『デューク』

どんよりした天気。オツムもどんより。用事で自転車で外出も寒いのでさっさと済ませる。小代有希子 『1945 予定された敗戦』人文書院を若い知人女性に貸す。温まりに近所の店リトルノに行ったら、 女主人から水木しげるの漫画を読んでみたいと。中央公論…

『1945 予定された敗戦』つづき

小代有希子『1945 予定された敗戦』人文書院を読了。通説が覆されてゆく驚き、というかある意味 快刀乱麻を断つ快感。そうだったのか、戦争。膨大な一次資料から見えてくる異貌の戦争指導層と民衆。 《 ソ連の対日参戦が、朝鮮から中国をまたいだ戦後東…

『1945 予定された敗戦』

小代有希子『1945 予定された敗戦』人文書院2015年12月30日初版、前半を読んだ。 《 通説では、戦争終結に向かう日本の市民は「一億玉砕」を叫び、アメリカ軍が実際に上陸してきたら、 婦女子も含めて竹槍で敵を迎え撃つよう訓練を受けていた。しかし全…

『明治の表象空間』

朝、ぼんやりネット巡遊していると、中野区立中央図書館で香山滋展開催中の記事。覚醒。「異形の作家 香山滋〜古代・浪漫・奇譚〜」28日まで。山名文夫宛の書簡! 昭和23年刊『オランペンデク奇譚』 表紙、山名文夫の絵にゾクッとしたのは四十五年前のこ…

「幸田露伴」「福地桜痴」

午後一時、「三島梅花藻の里」裏の公園予定地での地鎮祭に市長ら関係者とともに参列。三嶋大社の神職の 祝詞による儀式は一時間近く続いた。風は強かったけど、寒くなくやれやれ。グラウンドワーク三島が工事主体。 予算一千万円強。 松浦寿輝『明治の表象空…

『にごりえ』

松浦寿輝『明治の表象空間』新潮社、「樋口一葉」の項を読んだ。当然だが、一葉の実生活ではなく文筆作品を 当時の言説空間の中で読み解き、一葉の先鋭性を闡明にしている。遠い昔一葉の小説を中途で投げ出して半世紀、 文庫本は本棚に今も立っている。五十…

「構造的な空白」

朝、地元のラジオ局の知人女性からラジオ出演の要請。水木しげるの話を、ということだったが、 三島の隠れた面白い場所、事績を紹介したほうがいいのでは、と提案。その方向で検討することに。 午後、資料を少し持っていく。 松浦寿輝『明治の表象空間』新潮…

「正月ボケ」

昨日は友だちや知人から今年はなにするの? と訊かれた。昨年美術関係が一区切りついたので、今年は街かな、 とぼんやり思っていたら、写真展示が差し迫っている、とどやされた。そうだった。いやあ正月ボケ。あるいは 前期高齢者ボケかな。ボケたらあかん。…

「正月明け」

長泉店、函南店、三島徳倉店そしてきょう、沼津リコー通り店へ午後行く意欲が出ねえなあとぐずぐずしていたら、 友だちから三嶋大社参拝のお誘い。行くのは中止。臨機応変、朝令暮改は必要也。物足りなく昼前長泉店へ自転車で。 長田弘『ねこに未来はない』…

「正月三日」

安くてまずまずのチリの赤葡萄酒を年を越して飲んでいる。それにちなんで元日は『恋さぐり夢さぐり』を リンクしたが、きょうは鶴田浩二の『赤と黒のブルース』を。赤葡萄酒が浮かぶので。それから青江三奈唄う 『雨に咲く花』を。CDでよく聴いていた。雨…

「正月二日」

家の前を車も人も列をなして東へ三嶋大社へ。私は家の排水管の清掃。といっても洗剤を注ぐだけ。 築35年のこの家、排水で困ったことがない。管自体は古くなっているとは、水道屋さんが秋の検査で。 我が身体と同じ。体力維持のためブックオフ函南店へ自転車…