2016-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『美術評論家連盟 会報』

昼前、源兵衛川の「世界かんがい施設遺産」登録の報告で、グラウンドワーク三島の面々とともに三島市長に面会。晴れ晴れした 気分。 『 aica JAPAN NEWS LETTER ウェブ版 第6号 美術評論家連盟 会報 』を読んだ。 http://www.aicajapan.com/newsletter/webne…

「沸点」

上條陽子さんから届いたお便りには九州の田川市美術館で開催中の展覧会「アーチストの反骨精神『沸点』」のチラシ。 その宣伝文の結び。 《 本展では、日本の美術界を牽引してきた作家から現在活躍中の作家まで、42名のアーチストが心の奥底から沸々と 湧…

『水の記憶』

大岡信『抽象絵画への招待』岩波新書1985年初版。以前の付箋とは別の箇所への付箋。 《 そこに、ヨーロッパがつちかってきた美の伝統をふまえつつ、その最先端部で新たな気圏に身をさらして進もうとする 画家たちの抱負があった。 》 62頁 方向性が同じでも…

『抽象絵画への招待』再び

大岡信『抽象絵画への招待』岩波新書1985年初版を再再読。以前の付箋とは別の箇所に注目。読む度に注目する点が違う。面白いものだ。初読から三十年。少しは成長したらしい。劣化老化はまだ先のようだ。その試験紙でもある。 一昨日の晩、大岡信ことば館で大…

「現代絵画」

雑誌『武蔵野美術』110号1998年、特集「現代絵画 平面の展開」を読んだ。興味を引いた文章を。 《 絵のわかるひとには自明のことだが、何ということのない平らな矩形が芸術的アウラの源泉となる事態は、 モダニズム以前のすぐれた絵画にあっても宗教的や自然…

「三木清」

富士山は純白の雪化粧。つんと突き出たいいかたち。ネットでおっぱいの記事を読んだら、昨日の題『かたちの オディッセイ』が「おっぱいのオディッセイ」に見えてしまった。朝からいかんいかん。ロミ『乳房の神話学』 角川ソフィア文庫まで眼に入る。帯の惹…

『かたちのオディッセイ』

氷雨。オイルヒーターを出す。ぎっくり腰にならぬよう階段をゆっくり運ぶ。起動。先月25日に友だちが買った 幼鳥のセキセイインコ。この寒さではどうだろうと朝、メール。返事「平気、元気で大騒ぎ」。やれやれ。 午後になって雨は止む。箱根山は雪化粧。 …

「場所とリズム運動」

晴天に透明な冷ややかな風。秋が深まった印象。と、にわかにかき曇り。肌寒い風。 中村雄二郎『かたちのオディッセイ』岩波書店1991年初版、「第8章 場所とリズム運動」はまた興奮させる内容。 《 最後に第三に、この大宇宙はどうして音とリズムによって充…

「汎リズム論」

昨夕、銅版画家林由紀子さんから中日新聞の「文化 ぶんぶん 人類学」で掲載された林さんの記事のカラーコピーを恵まれる。記者谷知佳のあとがきのような囲み記事「ヒト苦労」から。 《 お気に入りの詩をそらんじ「見えを張って教養を積むうちに本物の教養人…

『あらしの白ばと 悪魔の家の巻』

昼前、NHKBSプレミアム『さわやか自然百景』、「富士山 三島溶岩流」を昨日につづいて視聴。いい映像だ。 学校の教材に適している。 郵便受けに届いた西條八十『あらしの白ばと 悪魔の家の巻』盛林堂ミステリアス文庫を開封。芦辺拓の解説から。 《 と…

「アフリカの東岸と西岸」

一昨日話題の『 Taarab 』。タンザニアはザンジバル島の演奏にマレーシアのムラユー音楽との交響を感じた。 インド洋の東西だ。昔から海の航路で交易があっただろう。対してアフリカ西岸のセネガル。先月16日に話題の オーケストラ・バオバブ Orchestra Ba…

「雨の土曜日」

雨。JR東海のさわやかウォーキングが催されているはずだが、朝歩く姿はない。さわやかじゃ、ないものな。 たった一人の長距離ランナー過ぎしのみ雨の土曜日何事もなし 寺山修司 寒々とした雨の街。コーヒーを淹れる。音楽を音量を小さくしてかける。ゆっく…

『 Taarab 』

昨日、沼津市のギャラリー・カサブランカで見た北斎道子さんの油彩画小品がなんともいい出来。絵画の冒険を企てている 彼女の恐らく大胆な試行を反映して、それまでと同傾向の絵だけれど、感度がぐっと上がっている。冒険の新作に期待、と 葉書を投函。 http…

「テレビ番組のお知らせ」

朝、知人女性とメールの遣り取り。どこも老親を抱えて。私より若い彼女は病を抱えている。四老死苦なんて戯言が浮かぶ。 世の中浮かばれぬことが多い。でも、浮かぶ瀬もある、と思いたい。おーい、源兵衛川には広瀬があるよ。子どものときは泳いだが、 水量…

「藤田嗣治の騙り」

13日の毎日新聞「今週の本棚」、『藤田嗣治 妻とみへの手紙』人文書院への加藤陽子の評を読んで藤田嗣治 『腕(ブラ)一本│巴里の横顔』講談社文芸文庫2005年初版へ手が伸びたのだが、年譜を読むとじつに波乱に満ちた 生涯だったことが知れる。加藤陽子の…

「現代大家」

昨日引用した文章にあった藤田嗣治「現代大家」は、『腕(ブラ)一本│巴里の横顔』講談社文芸文庫2005年初版に収録。 読んでみた。 《 ピカソの長所は一定の形式に固定せず、自分の画風を他の人が真似しだすと、直ぐまた新しいものを見つけて、 若い連中を引…

『現代絵画入門』

山梨俊夫『現代絵画入門』中公新書1999年初版を再読。副題「二十世紀美術をどう読み解くか」。初読の時とは 違った箇所に付箋が貼られた。 《 呼びこまれた材料は、「絵画」に従属することから、それ自体が徐々にあらわになって、従属の関係を逆転させる。 …

「幸せと信頼」

昨夜は久しぶりに知人宅で歓談。知人が席を外している間奥さんと雑談。幸せが話題に。何が幸せと感じるかは人に よりけりだけど、私は人様に喜ばれることが幸せだと思う。そして困ったときに手を差し伸べてくれる人がいることと、 伝える。奥さんも納得。か…

「アスタルテの司書」

昨晩、郵便受けに林由紀子さんが京都のアスタルテ書房の企画展「林由紀子銅版画展 アスタルテの司書」の案内葉書を 入れてくれた。早速電話。この案内状、宛名書きの余白が全くない。彼女も封筒で送る、と。片面は絵。片面は凝った紹介文で 埋められている。…

「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」

ネットを巡回していると、「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」という表現があまりに当たっている気がしてきた。 それまでの世界秩序が終りを迎え、ハードボイルドなワンダーランド、世界へと移っていくような。 ブックオフ長泉店で二冊。マイク…

『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』

村上春樹『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』新潮社1985年初版を昨夜読了。内容については多くの人が いろいろ書いているだろう。書いていた。屋上、屋を架すことはしたくない。気の利いた科白が続出。少しばかりを。 《 「あなたは今何かを求め…

「世界かんがい施設遺産」

昨夜午後九時半過ぎ、源兵衛川が「世界かんがい施設遺産」に登録決定。グラウンドワーク三島事務局で関係者一同拍手。 http://www.maff.go.jp/j/press/nousin/kaigai/161108.html http://www.gwmishima.jp/modules/information/index.php?lid=1579&cid=2 メ…

「人は何かを達成しようとするときには」

村上春樹『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』新潮社1985年初版を少し読み進める。 《 それは僕の読みとり方に何かしら欠陥があるからかもしれない。あるいは、それは彼らのことばが長い年月のあいだに 擦り減り、風化してしまったせいかもしれな…

「服の着方の魅力的な女の子」

村上春樹『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』新潮社1985年初版を少し読み進める。 《 私は女性の年齢を判断することについての能力を急激に失いつつあるような気がした。 》 135頁 この語り手は三十五歳。ダブルスコアに近い私は、その能力をと…

「それなりの見識と経験と哲学が必要」

村上春樹『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』新潮社1985年初版をゆっくり読んでいる。気の効いた科白が 時々あって、おお、と嬉しくなる。そのひとつ。 《 私は高級車を乗りまわしながら家には二級か三級のソファーしか置いてない人間を何人か知…

「どこで筆を止めるか」

穏やかな朝、母親を連れて源兵衛川上流部を散歩。若い母と二人の子どもがゴミを拾いながら下ってくる。うれしい光景だ。 ありがとう、と声をかける。足元でカモたちが水に首を突っ込んでいる。何を探して食べているのか。一休みして帰宅。 午後二時間ほど、…

「現代美術が滅んだあと」

『美術手帖』に掲載された椹木野衣による『杉本博司 ロスト・ヒューマン』展 東京都写真美術館のレビューから。 《 精確でないかもしれないが、本展をめぐるトークで杉本の対話者から、河原温のように、 最後の最後まで方法と形式を徹底すべきだという意見が…

「レコードの日」

昨日は肌寒かった。で、昨晩、コタツを出す。いやあ気持ちいい〜。勢いで椅子に敷く座布団型温熱器も設置。つぎに オイルヒーターを出せば冬仕様だが、まずはここまで。寒さは服で防ぐ。 昼の一時間、静岡市からの視察四十人を源兵衛川へ案内。皆さん、これ…

「タメとゆらぎの逸脱」

アフリカはギネアのバンド Bembeya Jazz Nationalの「 Petit Sekou 」という演奏をCDで聴いて「タメ(溜め)とゆらぎの逸脱」 という言葉が浮かんだ。 https://www.youtube.com/watch?v=C_Nq3lJg0OM BEMBEYA JAZZ NATIONAL『 The Syliphone Years 』という…

『蠅男』

満六十六歳の誕生日を迎えた。ホントかい、だ。こんな歳まで生きるとは考えなかった。未知の領域。だから、 ワクワク、とも言えるが。歳をとればとるだけ未知の世界が開けてくる。いや、すぐに忘れてしまうから、世界は広い、 といつも感じている。いいじゃ…