2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『加藤周一著作集5 日本文学史序説 下』月報15

『加藤周一著作集5 日本文学史序説 下』平凡社1980年初版、附録の「月報15」には江戸文学研究の中村幸彦と政治思想の 丸山眞男が一文を寄せている。 《 最も大事な問題は読み方である。蕪村の作品は、従来の如く子規や朔太郎の如き理解に従って、鑑賞すべき…

『日本文学史序説 上』七

加藤周一『日本文学史序説 上』ちくま学芸文庫2009年8刷、「第七章 元禄文化」を読んだ。これで上巻を読了。 《 「元禄文化」は、決して「町人文化」ではなかった。しかし、その重要な一面が「町人文化」と深く係っていたのである。 》 464頁 熊沢蕃山、山鹿…

作品が生き続けるために

ネット注文して届いた音楽CD『 UMALALI 』オフィス・サンビーニャの二枚を梱包。明日年上の女性画家二人に郵送。 お二人とも近々、個展を控えている、その東京六本木のギャラリーと福岡県の公立美術館には行けない。『 UMALALI 』を 聴いてお二人がなにか…

「炎の主導権を握る」

北一明『焼きもの新入門 炎の造形』海山堂1985年初版を再読。 《 ここで一番重要なことは、自分の美的基準を最高水準のものによって原点にすえようとする努力です。 》 12頁 《 今日、現代という微視的な目と、歴史的にみるという巨視的な目との美的両眼によ…

寝てこそ休養

体調は少しずつ快復しつつあるんだけど、もうひと押しが、と曇り空を仰ぐ。この寒空じゃあなあ。この歳では V字快復なんてありえない。元気になったふりで動くと、途端にガタガタ、塗炭の苦しみへ。VじゃなないM。やだねえ。 果報じゃないけど快復は寝て…

休養

昼前は降りしきる雨。五輪真弓の歌『リバイバル』の冒頭♪降りしきる雨の中を♪が浮かぶ。激しい雨もいいものだ。 一日ぐずぐず。しかし、もう少し食欲が出ないとなあ。 雨上がりの午後、買ってきたカボチャを煮、ほうれん草を茹で、キウイの皮をむく。力を入…

静養?

一日自宅静養の予定だったが、朝、横浜の女性お二人が来訪したいとメール。昼までぐずぐず寝て過ごす。 燃料不足の身体をにこやかに誤魔化し、清住緑地の湧水へ案内。勢いよく噴き出る湧水に感動される。案内書にも 載っていなかったと喜ばれる。まだ観光地…

療養

18日(土)〜19日(日)未明 悪夢と妄想に襲われ、切りのない咳に苦しむ。風邪薬はなく、うがい薬で急場をしのぐ。 19日(日) 日が昇って悪夢と妄想は収まる。咳は減る。夕方電子体温計で測ると「39.8℃」。ウソだろう。悪寒はしないし、 発熱頭痛嘔吐…

壊れた

昨日は午後6時半に就寝、今朝八時前に起床。悪夢にうなされた。ご飯を半膳口に入れて咀嚼し、グラウンドワクーク 三島事務所へ。昨日午後の集まりで会った六人を源兵衛川へ案内。う〜寒。お昼にくたくたで帰宅。食事は喉を通らず、 そのままお蒲団へ。午後…

『日本文学史序説 上』六

加藤周一『日本文学史序説 上』ちくま学芸文庫2009年8刷、「第六章 第三の転換期」を読んだ。 《 一六世紀の半ばから一七世紀の半ばに到るおよそ一○○年間は、二重の意味で日本史の転換期であった。 第一に、国際的には、西洋の影響がはじめてこの国に及んだ…

『日本文学史序説 上』五

加藤周一『日本文学史序説 上』ちくま学芸文庫2009年8刷、「第五章 能と狂言の時代」を読んだ。 《 日本の禅僧の水墨画と禅との関係はあきらかでない。少なくとも最高の画僧、雪舟の山水と禅との内面的な関係は、 具体的に指摘することができない。 》 362頁…

『日本文学史序説 上』四

加藤周一『日本文学史序説 上』ちくま学芸文庫2009年8刷、「第四章 再び転換期」を読んだ。 《 比喩的にいえば、「鎌倉仏教」は、日本の土着世界観の幾世紀もの持続に、深くうち込まれた楔であった。 その影響がいかに拡り、いかに展開していったかというこ…

『日本文学史序説 上』三

加藤周一『日本文学史序説 上』ちくま学芸文庫2009年8刷、「第三章 『源氏物語』と『今昔物語』の時代」を読んだ。 《 仏教の大衆化と大衆の仏教化は区別しなければならない。一○世紀から一ニ世紀末まで日本でおこったことは、 前者であって、後者ではなかっ…

『日本文学史序説 上』ニ

加藤周一『日本文学史序説 上』ちくま学芸文庫2009年8刷、「第ニ章 最初の転換期」を読んだ。 《 八世紀末の平安遷都(七九四)から一○世紀初へかけてのおよそ一○○年間は、そのときまでに輸入された大陸文化の 「日本化」の時期である。 》 126頁 《 その意…

『日本文学史序説 上』一

加藤周一『日本文学史序説 上』ちくま学芸文庫2009年8刷、「第一章『万葉集』の時代」を読んだ。あまりに見事な解明に 舌を巻く。政治権力構造から外交関係、社会組織まで、時代の全体像の構造から『万葉集』の構造と特色を明示している。 《 人類が、はじめ…

『 UMALALI 』

メキシコの南隣、カリブ海に面した国ベリーズに伝わる歌を収録した『 UMALALI 』オフォス・サンビーニャにぞっこん。 心が打ち震える感動を経験。心がすっと真裸になるこんな経験は今世紀初めて。十二人の女性たちの飾り気のない、 てらいのない歌声のなんと…

『アビーおばさんのアメリカ式人生相談』

小泉喜美子『殺さずにはいられない』青樹社1986年初版を本棚から抜く。帯文から。 《 ロング・グッド・バイ! ”粋でなければミステリーとはいえない”といつも主張し、実践してきた著者の傑作10編を収録した珠玉集 》 巻末の「小泉喜美子作品リスト」で不所持…

『虚無回廊 III 』

小松左京『虚無回廊 III 』角川春樹事務所2000年初版を読んだ。いよいよ”SS”の謎に迫る。 《 「SSに集って来た、銀河系内各星からの知的生命体の相互紹介と、これから先のSSに対しての共通行動目標、 および行動指針とプログラムの決定と役割り分担の…

『虚無回廊 II 』

小松左京『虚無回廊 II 』徳間文庫1991年初版を読んだ。 《 「こころがけてきたって……つまりあなたたちは、進化を自分の意志で、やっているというんですか? 」 「それでなければ、一億年も生きてはいられない事は、あんたもわかるじゃろ……」”老人”はさとす…

『虚無回廊 I 』

小松左京『虚無回廊 I 』徳間文庫1991年初版を読んだ。序章の前に数ページの前段。その冒頭ニ行。 《 さっき、”私”が死んだ。──ニ、三分前の事だ。正確にいえば、五年と八カ月二十六日十四時間余り前の事になる。 》 そして”SS”という言葉。それがなんなの…

色気とカワイイ

夜、風呂上がりの火照った体を椅子に沈め、柔らかな弱い光が生む影をなにげなく眺めていて、ふと浮かんだ言葉 「色気」。最近聞かなくなったような。テレビ、ネットでカワイイ女性たちが溢れかえっている現状では、色気のある 女性はお呼びでない(古い〜)…

かたちと光彩

1990年代、京都書院から刊行された全百巻の『陶』シリーズ、第九巻は『北一明』に当てられている。 http://www.miyaobi.com/kyotoshoin/tou.html 市立図書館でその百巻を全部開いて見た。北一明の特異性、独自性、独創性を実感した。デスマスク類は未だに 判…

樹木葬へ

墓石は劣化してゆくが、樹木は成長してゆく。 ここ数日立て続けに別の場所で女性たちから樹木葬の話題があがった。シンクロニシティ=共時性か。男性から 死後のお墓の話題が出たことはない。女性のほうが将来を見据えている。いいところないかしらという話…

「新が旧につけ加えられる」

加藤周一『日本文学史序説 上』ちくま学芸文庫2009年8刷、「日本文学の特徴について」を読んで仰天、感銘。 なんという慧眼。 《 文化の中心には文学と美術があった。おそらく日本文学の全体が、日常生活の現実と密接に係り、遠く地上を離れて 形而上的天空…

「ガラパゴス的進化(変化)」

昨日の「紙わざ大賞26」展は、じつに楽しかった。レース切り絵から立体切り絵、緻密な折り紙からアイデア一本の 紙の造形。まさしく多紙済々、多種多彩の中で紙の楽器を作ったのは、白砂勝敏さんだけだった。また見に行きたい。 近現代美術家は未来の表現…

「紙わざ大賞26」

昨日の本から空海のことば「五大にみな響きあり」が浮かんだ。やはり要諦はここなのだ。繰り返しになるが。 《 そしてこのことばは、私のなかで生まれつつあった〈汎リズム論〉つまり「すべてはリズムである」という 考えを推しすすすめていく上で、ほかのな…