2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『梅下壽老圖』

昨日とりあげた伝雪舟筆『梅下壽老圖』は実見していないので、ネットのややはっきりしない画像と『本朝三十家名畫集』國華社1903(明治36)年収録の 鮮明な多色摺木版画との明らかな相違に戸惑う。何かを凝視する壽老と上目遣いの鹿、双方の眼力(めぢから)…

『本朝三十家名畫集』『國華』

午前十時過ぎ、ちょっと行ってくるか、とブックオフ三島徳倉店へ自転車で行く。一冊手にしたところで声をかけられる。以前大岡信ことば館の読書会で同席した男性。 本を棚に返し彼の車に同乗、コメダ裾野店で昼食を摂りながら歓談。それから自宅へ招き、歓談…

つながる、つなげる

今春東京国立博物館で開催された「名作誕生 つながる日本美術」の図録を何気なく開いていて酒井抱一『白蓮図』が小原古邨の木版画『蓮に雀』につながった。 http://www.art-precis.com/item/06.html https://www.shonan-sh.jp/columns/oharakoson_hanatotori…

何も無い一日はない

朝、源兵衛川中流部、下源兵衛橋上流部と雷井戸周辺のヒメツルソバを抜く。雨の後なので根も抜ける。土のう袋一袋。サンダル履きなので膝から下は冷え〜。 腰から上は汗〜。帰宅後靴下を履く。納得の作業。作業はこれから下流へ進む予定。 午後、某集まりへ…

『文様の博物誌』五

吉田光邦『文様の博物誌』同朋舎1985年初版を読了。 《 この風景と季節感を表徴する植物との結合は、きわめて文様化しやすい条件である。ここに風景文様が成立する大きな要因があった。その文様はといえば知的作業の 結果に現れてきたものである。風景文様は…

『文様の博物誌』四

吉田光邦『文様の博物誌』同朋舎1985年初版を少し読んだ。 《 日本の仏教美術におけるハスの文様やデザインのゆたかさは、世界でも珍しいことであろう。宗教美術がある特定の花と結合するというのは、イスラムやキリスト教 ではみられない現象である。キリス…

『文様の博物誌』三

吉田光邦『文様の博物誌』同朋舎1985年初版を少し読んだ。 《 波は波そのものに止まらないで、波のしめす海に重点がおかれる。表現されたものに意味を限定せず、むしろその背後にひろがる世界を観るものの心象に 呼び起こさせること。それが日本の文様のきわ…

『文様の博物誌』ニ

吉田光邦『文様の博物誌』同朋舎1985年初版を少し読んだ。 《 「むすぶ」という語は、日本の古代では「産霊」と漢字化され、そこに霊的なものの発生と存在が語られていることは周知だろう。 》 「古代の紐」 26頁 知りませんでした。半村良『産霊山秘録』。 …

『文様の博物誌』

吉田光邦『文様の博物誌』同朋舎1985年初版を少し読んだ。 《 表現は確かに人間の手によって行われる。しかし人間が素材に対した時、素材は彼に何を語るであろうか。素材は一個の物、物質である。その物質に一つの形を 与える時、その形成の仕事は彼の精神に…

『千夜千冊エディション デザイン知』を少し

松岡正剛『千夜千冊エディション デザイン知』角川文庫を少し読む。 《 プロダクトデザインというもの、その本質は「擬(もどき)」なのである。「擬」はたんなる「ものまね」や「シミュラークル」や「ギミック」のことではない。 (中略)だから、たんに真…

古邨、生の儚さへの眼差し

茅ヶ崎市美術館の小原古邨展の副題「花と鳥のエデン」に違和感を感じていた。集客の謳い文句としてはいいかもしれないが。 https://www.artagenda.jp/exhibition/detail/2676 二十年余り前、画廊で初めて目にした時、彫りと摺りに感嘆。そして購入したのが『…

『千夜千冊エディション デザイン知』あちこち

松岡正剛『千夜千冊エディション デザイン知』角川文庫をあちこち読む。 《 筆吉 何が発動しているんでしょう。 紙蔵 だからイニシャル・コンディション。ぼくは、それを文字そのもがもつ「意味」に対して、文字の並びや大きさや位置や色があらわす「意向」…

休養日

下唇がヘンだな、と鏡を見たら腫れ物。やはりね。過労だ。きょうは休養日。朝昼食は軽く。読書はしないがネットは見る。 ネットの天気情報、どこまで頼りになるか。曇天を仰ぐ。怪しいので昼前に布団を、それから洗濯物をとりこんだ。午後は降雨20%。降る…

葉書配布つづき

遠方の人たちへ北斎道子展の案内葉書を郵送。来てとは言わない、お知らせ。午後、友だちの車に同乗、葉書を置いてもらう。ふう〜。四時の帰宅後二時間昼寝。 朝は十時間寝て起きた。朝食昼食はお茶のみ。夕食は軽く小松菜、南瓜、バナナ、みかん、ヨーグルト…

葉書配布

友だちの車に同乗、ギャラリーや美術館を廻って北斎道子展の葉書を置いてもらって一日が終える。 「株を売ることは、株を買うことの10倍難しい」と言われるそうだが、「美術品を売ることは、美術品を買うことの10倍難しい」ともいえる。 ネット、いろいろ。 …

「北斎道子展」

三島の知人たちがテレビ番組を観て、茅ヶ崎市美術館の小原古邨展へ行ってきたと。またこれから行くと。すごい感染力だ。ここに来てネット・オークションには 小原古邨がどかどか出品。殆どが小原祥邨。業者が古邨をまだ出さないのだろう。古邨はいつ頃出るか…

『かたち誕生』五

杉浦康平『かたち誕生 図像のコスモロジー』NHK出版1997年初版を読了。 《 珠の一つ一つに核があり、それぞれに世界が宿る。どの珠も出発点となり、終着点となりうる。一つの珠が、他の珠に潜む「かたち」の「ちから」を映しだす…。 まさに「万物照応」し…

『かたち誕生』四

杉浦康平『かたち誕生 図像のコスモロジー』NHK出版1997年初版を少し読んだ。 《 平面に刻まれた一本の線は、時空をきざみ、いのちの脈動を打ちつづけて、豊かな物語を紡いでいきます。 》 199頁 朝、源兵衛川の月例清掃へ。水量が多くて見送り。そこへ熱…

『かたち誕生』三

杉浦康平『かたち誕生 図像のコスモロジー』NHK出版1997年初版を少し読んだ。 携帯電話って身近に置いていない時に限ってかかってくる。こちらからかけ直すことになる。ああ。 午後、三島市民文化会館小ホールでの「活動写真大上映会」へ行った。ホールを…

『かたち誕生』ニ

杉浦康平『かたち誕生 図像のコスモロジー』NHK出版1997年初版を少し読んだ。胎蔵界曼荼羅と金剛界曼荼羅が簡明に解説されていて、わかりやすい。 いつか深く知りたいと思いつつ歳月が過ぎていた。本棚から『日本の美術55 曼荼羅の美術』小学館1979年初版…

『かたち誕生』

杉浦康平『かたち誕生 図像のコスモロジー』NHK出版1997年初版を少し読む。「まえがき」から打ちのめされるような快感。「まえがき」の題は【「いのち」ある 「かたち」】。 《 この本ではこの「かたち」を、「かた」と「ち」が結びついた複合的なものと…

昭和も平成も終わろうとしてる

本を買いたくなり、本屋へ。松岡正剛『千夜千冊エディション デザイン知』角川文庫2018年3刷帯付を買う。「前口上」結び。 《 そんなデザイナーたちの際立つ思想を凝視してみたい。 》 三十四冊紹介されているなかで既読は内田繁『インテリアと日本人』、立…

「朝日のあたる家」、村上春樹

用事で外出することはあっても、本を読まずに過ごした。新聞も休刊。一日活字離れ。 YouTubeから「あなたへのおすすめ」と、MAYA「朝日のあたる家」。視聴。 https://www.youtube.com/watch?v=QYFQud_qlqw うーん、違うなあ。浅川マキの「朝日のあたる家…

「小原古邨展」

知人の車に友だちと同乗して、茅ヶ崎市美術館の「小原古邨展」を観に行った。その前に美術館近くの蕎麦屋へ。11時開店、一番乗り。蕎麦を堪能。 おもむろに美術館へ。おお、駐車場は一台だけ空いている。ラッキー。でも、なんと外に入場を待つ行列。ビック…

『脱近代宣言』五

清水高志・落合陽一・上妻世海『脱近代宣言』水声社2018年初版、「第3章 現象to現象の世界へ」を読んだ。昨日第二章を面白さてんこ盛りと記したが、 最終章の第3章はさらに面白く、富士山級。引用したい箇所が多すぎる。で、少しだけ。 《 落合 こうしたこ…

『脱近代宣言』四

清水高志・落合陽一・上妻世海『脱近代宣言』水声社2018年初版、「第2章 近代の終焉」を読んだ。第1章同様、書かれた文書とちがって鼎談なので、 論旨がわかりやすく、じつに面白い。面白さてんこ盛り。 《 清水 今日から見て、ニ○世紀の限界が何だったか…

『脱近代宣言』三

清水高志・落合陽一・上妻世海『脱近代宣言』水声社2018年初版、昨日読んだ「第1章 エジソンの夢、サザランドの夢」を再読。再読することで論点がはっきり 見えてきた。結び近く落合陽一の発言。 《 岡本太郎が縄文土器を再発見したように、誰かがメディアア…

『脱近代宣言』ニ

清水高志・落合陽一・上妻世海『脱近代宣言』水声社2018年初版、第一章を読んだ。清水高志の発言を引く。 《 これまで哲学で語られてきた認識主体は、あくまでも人間の感覚器のオーダーに落としたテンソルしかなかったけど、もっと異なるものが数理モデルと…

『脱近代宣言』

清水高志・落合陽一・上妻世海『脱近代宣言』水声社2018年初版をほんの少し読む。 昼前、群馬県太田市からの視察二十人余を、源兵衛川などへ案内。桜川をカワセミが飛翔していく。美しい。三嶋大社で乗車を待つ時、添乗員の女性から 「テレビで見ましたよ」…

「小原古邨への招待」

「西洋で愛された幻の絵師 小原古邨(おはらこそん)展」 K美術館 1999年6月4日(日)〜7月4日(日) 紹介文「小原古邨への招待」 19世紀、西洋で高い評価を受けた浮世絵は、明治に入って盛んに輸出されるようになり、作品が払底し、複製版画でも、という状…