2018-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『鈴木大拙』

竹村牧男『日本人のこころの言葉 鈴木大拙』創元社2018年初版を少し読む。少ししか読めなかった。 午前八時29.5℃。こんな暑い朝、頼まれ用事で出かける…。ま、頼まれたのでは仕方ない。某店での展示を完了。作業した四人で昼食。その後、友だちともう一件、 …

『道元の見た宇宙』三

岩田慶治『道元の見た宇宙』青土社1985年2刷、最終章「第五章 道元と現代文明」を読んだ。「3 知の位相」の項が手強い。けれども、文章の力に導かれ、 納得へ傾く。 《 二つの世界を〈柄〉と〈地〉としよう。 われわれの住んでいる世界は、〈柄〉と〈地〉か…

『道元の見た宇宙』ニ

岩田慶治『道元の見た宇宙』青土社1985年2刷、後半へ。「第三章 道元の時空」から。著者は絵における図(柄)と地(背景)を比喩に使う。 《 われわれの時空とその背後にひろがる時空、諸相と非相、この世とあの世、時の「柄」と時の「地」を同時に展望する…

『道元の見た宇宙』

岩田慶治『道元の見た宇宙』青土社1985年2刷を読み始める。文化人類学者が読んだ『正法眼蔵』。以下、「第二章 道元の言葉」から。 《 道元の言葉のもつ迫力の由来は、一つには、かれの意志の強さの反映に違いないけれども、二つには、そしてこれが大切なこ…

『感性は感動しない』

椹木野衣『感性は感動しない 美術の見方、批評の作法』世界思想社2018年初版を読んだ。美術に興味があるけど、どのように接したらいいのか迷っている 若い人にうってつけの本だ。 《 はっきり言うが、芸術に技は必ずしも必要ではない。芸術に必要なのは、圧…

「道元仏道の目指すもの」

道元『現代語訳 正法眼蔵 6』大蔵出版1994年初版、訳者玉城康四郎の巻末の論説「道元仏道の目指すもの」を読んだ。 《 いまここにいう所の「尽十方世界これ一箇の明珠」というのは、玄沙師備によって初めていわれたものであり、それについて道元は、「広大…

「道心」「受戒」「八大人覚」「一百八法明門」

道元『現代語訳 正法眼蔵 6』大蔵出版1994年初版、「九三 道心(どうしん)」を読んだ。 《 この一節は、これまでの『眼蔵』にはまったく見られなかった、帰依三宝の実践そのものである。しかも生々世々にわたって、」一時の休みもなく、唱えつづけ 帰依し…

「四禅比丘」「唯仏与仏」「生死」

道元『現代語訳 正法眼蔵 6』大蔵出版1994年初版、「九○ 四禅比丘(しぜんびく)」を読んだ。 《 その論述は、二つの主題から成り立っている。前半は、表題のとおりの四禅比丘についてであり、後半は、それとは無関係の、三教(儒仏道)一致に対する 強烈な…

「供養諸仏」「帰依三宝」「深信因果」

道元『現代語訳 正法眼蔵 6』大蔵出版1994年初版、「八七 供養諸仏(くようしょぶつ)」を読んだ。 《 さて、道元にとって、右のような意味において授記を得たということが明白になっていたであろうか。すでに別稿で究明したように、とうていそうとは思えな…

「出家」「三時業」「四馬」「出家功徳」

道元『現代語訳 正法眼蔵 6』大蔵出版1994年初版、「八三 出家(しゅっけ)」を読んだ。 《 要約していうと、出家の日が、そのまま究極の悟りを成就する日であり、究極の悟りを成就する日が、すなわち出家の日である。さらに出家を裏がえしてみると、 それ…

「安居」「他心通」「王索仙陀婆」「示庫院文」

道元『現代語訳 正法眼蔵 5』大蔵出版1994年初版、「七九 安居(あんご)」を読んだ。 《 ところで、安居は、夏安居(げあんご)とも雨安居(うあんご)ともいわれている。雨期三ケ月のあいだ、ブッダが弟子たちとともに、一処にとどまって 修行したことが…

「虚空」「鉢盂」

道元『現代語訳 正法眼蔵 5』大蔵出版1994年初版、「七七 虚空(こくう)」を読んだ。 《 表題の虚空とは、果てしのない大空間である。われは、その空間の真っ只中にいる。道元の最初の問は、「ここはいったい、いかなる処か」という。この問いが 実現して…

「転法輪」「自証三昧」「大修行」

道元『現代語訳 正法眼蔵 5』大蔵出版1994年初版、「七四 転法輪(てんぽうりん))」を読んだ。 《 表題の転法輪は、法の車輪をころがすことで、仏が法を説くことを意味している。ここでは、それそれの仏祖が端的に悟りそのものを表示していることを指して…

「如来全身」「三昧王三昧」「三十七品菩提分法」

道元『現代語訳 正法眼蔵 5』大蔵出版1994年初版、「七一 如来全身(にょらいぜんしん))」を読んだ。 《 そういう次第で、経巻は如来の全身である。経巻を礼拝することは、如来を礼拝したてまつることである。経巻に出会うことは、如来に見(まみ)えたて…

「優曇華」「発無上心」「発菩提心」

道元『現代語訳 正法眼蔵 5』大蔵出版1994年初版、「六八 優曇華(うどんげ))」を読んだ。 《 ところで、この巻の論述の軸となっているのは、いわゆる拈華微笑(ねんげみしょう)という有名な故事に由来している。世尊が公衆の前で、華を拈(ねん) ずる…

「春秋」「祖師西来意」

道元『現代語訳 正法眼蔵 5』大蔵出版1994年初版、「六六 春秋(しゅんじゅう)」「六七 祖師西来意(そしせいらいい)」を読んだ。 曇天だけれど、だからか、朝から蒸し暑い。午前一時過ぎには28.6℃。午前七時で27.8℃。エアコンを28度設定で起動。涼しい。…

「眼睛」「家常」「竜吟」

道元『現代語訳 正法眼蔵 5』大蔵出版1994年初版、「六三 眼睛(がんぜい)」を読んだ。 《 いったい、仏道の堂奥まで究めるとはどういうことか。それは、眼の玉の中に飛びこんで発心し、修行し、大なる悟りを体得することである。この眼の玉は、もともと …

「十方」「見仏」「遍参」

道元『現代語訳 正法眼蔵 4』大蔵出版1994年初版、「六十 十方(じっぽう)」を読んだ。 《 私はいま改めて、ブッダの生涯を貫いてきた自灯明(じとうみょう)・法灯明の意味を思わないわけにはいかに。ダンマを灯明とするようなことは私にもよく知られて …

「面授」「坐禅儀」「梅華」

道元『現代語訳 正法眼蔵 4』大蔵出版1994年初版、「五七 面授(めんじゅ)」を読んだ。 《 ところで、面授とは、弟子が師に直接面えつして正法の真髄を授かり、師は弟子がそれを受けることを確認することである。このように、師と弟子とが、互いに 相見え…

「法性」「陀羅尼」「洗面」

道元『現代語訳 正法眼蔵 4』大蔵出版1994年初版、「五四 法性(ほっしょう)」を読んだ。 《 それは要するに、形なきいのちが自己自身に顕わになり、浸透し、通徹しつづけることである。ブッダはやがて、それに目覚めたのは自分だけではなく、過去の 諸仏…

「密語」「仏経」「無情説法」

道元『現代語訳 正法眼蔵 4』大蔵出版1994年初版、「五一 密語」を読んだ。 《 密語といえば、秘密の言葉という印象を与える。(中略) しかし、道元のいう密語はそれとはかかわりがない。密語の密は、親密の密である、という。では、親密ということがこの…

「説心説性」「仏道」「諸法実相」

道元『現代語訳 正法眼蔵 4』大蔵出版1994年初版、「四八 説心説性(せっしんせっしょう)」を読んだ。 《 しかし道元が訴えようとしている説心説性は、かれ自からいうように仏道の大本であり、仏道そのものを開示しようとしたものである。もう一歩踏みちが…

「葛藤」「三界唯心」

道元『現代語訳 正法眼蔵 4』大蔵出版1994年初版、「四六 葛藤(かっとう)」を読んだ。 《 普通の解釈では、葛藤は、煩悩がつるくさのようにからまっていることに譬えられる。したがって、煩悩の葛藤を断ち切って悟りを得るということが、ごく表面的に 考…

「菩提薩タ四摂法」

道元『現代語訳 正法眼蔵 3』大蔵出版1995年2刷、「四五 菩提薩タ四摂法(ぼだいさったししょうぼう)」を読んだ。タは、土偏に垂。 《 四摂法(ししょうぼう)は、一般にもよく知られている布施・愛語・利行・同事である。(中略)布施は、物や法を人に施…

「画餅」「全機」「都機」「空華」「古仏心」

道元『現代語訳 正法眼蔵 3』大蔵出版1995年2刷、「四○ 画餅(がびょう)」を読んだ。 《 道元は、さらに進んで画餅の本性を究明していく。その仕方はこれまでと変わっているわけではない。ただひたすらその性格を究尽(ぐうじん)していくだけである。 》 …

「心身学道」「夢中説夢」「道得」

道元『現代語訳 正法眼蔵 3』大蔵出版1995年2刷、「三七 心身学道(しんじんがくどう)」を読んだ。 《 心身学道は、学道の基本的な態度を心身のニ方面から論じたものである。 》 解説 323頁 《 しかし惜しいことに、仏祖正伝の自受用三昧の世界が明らかに…

「阿羅漢」「柏樹子」「光明」

道元『現代語訳 正法眼蔵 3』大蔵出版1995年2刷、「三四 阿羅漢(あらかん)」を読んだ。解説から。 《 まず阿羅漢とは、『法華経』にもとづいて、煩悩は尽き果て、心は自由自在になった人のことをいう。要するに、仏道の真髄をとらえて自在無碍となった人…

「授記」「観音」

道元『現代語訳 正法眼蔵 3』大蔵出版1995年2刷、「三ニ 授記(じゅき)」を読んだ。解説から。 《 ところで、表題の授記というのは、仏が修行者に対して、お前はいつの時期に成仏するであろうと、予言して成仏の保証を与えることである。これが、授記の 一…

「行持 下」「海印三昧」

道元『現代語訳 正法眼蔵 3』大蔵出版1995年2刷、「三○ 行持 下」を読んだ。 「三一 海印三昧(かいいんざんまい)」を読んだ。「海印三昧」の解説から。 《 海印三昧は、『華厳経』にその名が現われ、中国の華厳宗において重んぜられた。海印三昧というの…

「恁麼」「行持 上」

道元『現代語訳 正法眼蔵 3』大蔵出版1995年2刷、「ニ九 恁麼(いんも)」を読んだ。玉城康四郎の解説から。 《 表題の「恁麼(いんも)」というのは、いわゆる俗語で、「そのように」「このように」、あるいは「そのような」「このような」という意味であ…