2020-08-02から1日間の記事一覧

『飛ぶ孔雀』(閑人亭日録)

山尾悠子『飛ぶ孔雀』文藝春秋2018年初版、前半の表題作「飛ぶ孔雀」を読んだ。最初の短篇「柳小路界隈」。《 トエは夜の川辺で火を焚いた。燐寸の燐がたけだけしく闇に発火し、焚きつけの紙を変色させて明るい炎がさっと走る。正常に燃え上がったその火が空…