2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

川の生きもの探し(閑人亭日録)

朝、源兵衛川最下流部で、地元の小学四年生八十人余の、川の生きもの探しのお手伝い。ワイワイ賑やかにタモを持って動き回る。解放された水遊び。 先生も楽しんでいる。そりゃそうだわ。モクズガニからハヤまでいろいろいるんだから。モクズガニなんか数年前…

『生ける物質』五(閑人亭日録)

米田翼『生ける物質──アンリ・ベルクソンと生命個体化の思想』青土社2022年6月10日初版、「第二章から第六章までの総括」を読んだ。《 とはいえ、何が基礎的かはある意味ではどうでもよい。この世界が創造に満ち溢れていること、そして、我々人類だけでなく…

『生ける物質』四(閑人亭日録)

米田翼『生ける物質』青土社2022年6月10日初版、「第六章 自然における意識の位置づけを問い直す──心的活動の進化と組織化の諸相」を読んだ。《 ここでは、まずは最も基礎的なレベルの組織化として、生物界の全域に渡って観察される感覚-運動システムの組織…

『生ける物質』三(閑人亭日録)

米田翼『生ける物質』青土社2022年6月10日初版、「第四章 ミクロな世界で蠢く生物たちの自由──個体性と行動の問題」を読んだ。《 以下では、本章の結びとして、個体性・行動・老化・遺伝の関係を整理することにしたい。 1 個体性と行動:まずは、これまで見…

『生ける物質』二(閑人亭日録)

米田翼『生ける物質』青土社2022年6月10日初版、「第二章 生物とは何か──個体性と老化の問題」を読んだ。《 これに対して、私の解釈では、個体化と老化という特徴づけが不可分であるのは、個体性を示す場合には必ず老化し、逆もまた真であるというより強い意…

『生ける物質』(閑人亭日録)

米田翼『生ける物質』青土社2022年6月10日初版、「序章 生ける物質」を読んだ。 http://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=3688《 ベルクソンは生命進化の背後に組織化ないし個体化の運動を直観している。個体性、老化、遺伝、自発的行動といったトピッ…

谷文晁『夏山圖』(閑人亭日録)

朝、小雨。洗濯物を干す時には晴天、暑い。真夏日。 納涼気分で大冊の重い本、田島志一編輯兼發行『東洋美術大觀 第七册』審美書院明治四十二年十二月廿二日發行を卓上に置いて開く。巻末近く「第三百七十二、谷文晁 『夏山圖』」の白黒画像に見入る。これは…

NDLイメージバンク│国立国会図書館(閑人亭日録)

沖縄慰霊の日。《 NDLイメージバンクでは、浮世絵、図書、雑誌などの様々なメディアに載ったイメージをお届けします。 》 NDLイメージバンク│国立国会図書館 https://rnavi.ndl.go.jp/imagebank/index.html#top 一通り見たが、私の所蔵する版画は掲載され…

『日本掌編小説秀作選 II 花・暦篇』(閑人亭日録)

大西巨人・編『日本掌編小秀作作選 I 雪・月編』光文社カッパ・ノベルス1981年初版を、昨日にならって目次を記す。 内容目次 花の篇 死について 秋山清 善太と三平 坪田譲治 おたまじゃくし 北杜夫 或る別れ 北尾亀夫 椿 里見弴 忠僕 池谷信三郎 壁 島崎藤村…

『日本掌編小説秀作選 I 雪・月篇』二(閑人亭日録)

大西巨人・編『日本掌編小秀作作選 I 雪・月編』光文社カッパ・ノベルス1981年初版を当時購入。栗田勇『飛鳥大和 美の巡礼』新潮社1978年初版同様架蔵したまま 四十年、か。ネットに目次が掲載されていた。 内容目次 編者はし書き 大西巨人 短篇小説の復権 …

『日本掌編小説秀作選 I 雪・月篇』(閑人亭日録)

大西巨人・編『日本掌編小説秀作選 I 雪・月編』光文社カッパ・ノベルス1981年初版を開く。大西巨人「短篇小説の復権 I・II両巻について」の終わりに菊池寛が 「蓋(けだ)し短篇小説の極北であるかも知れない」と評して翻訳したハァバァト・ライリイ・ホウ…

『飛鳥大和 美の巡礼』八(閑人亭日録)

栗田勇『飛鳥大和 美の巡礼』新潮社1978年初版、「十三 遊行する神々」を読んだ。「十四 ナタラージャの舞踏」を読んだ。《 作家は、生(なま)の日常の目で、対象をみることはない。モデルをみるときも、素材の木を透視するときも、「フォルム」によってし…

『飛鳥大和 美の巡礼』七(閑人亭日録)

栗田勇『飛鳥大和 美の巡礼』新潮社1978年初版、「十 女人高野」を読んだ。《 一言にしていえば、古代の思想は、それが古いからといって、つねに単純とはかぎらない。古代言語構造をみても、その文化のイメージをみても、今日の私たちとは、 重視する細部が…

『飛鳥大和 美の巡礼』六(閑人亭日録)

栗田勇『飛鳥大和 美の巡礼』新潮社1978年初版、「八 大和路をゆく」を読んだ。「九 室生への道」を読んだ。未知の場所。《 イメージとは、たんに空想のことではなく、それが、意味のある統一体を予想させることをいう。つまり、地形は、ひとつの共同体が、…

『飛鳥大和 美の巡礼』五(閑人亭日録)

栗田勇『飛鳥大和 美の巡礼』新潮社1978年初版、「六 竜樹の下に」を読んだ。《 アルタミラにかぎらず、古墳についても、そこに描いた意識構造がしばしば忘れられている。だが、絵画もまた、言語の発生と同じく古いことが知られているが、 言語が、聞かれる…

『飛鳥大和 美の巡礼』四(閑人亭日録)

栗田勇『飛鳥大和 美の巡礼』新潮社1978年初版、「五 死の国の生者」を読んだ。高松塚古墳から始まる。《 極言すれば、この被葬者の人種的特徴がいずれであろうと、作者が外来者であろうと、そこに生れた芸術作品はあきらかに、日本固有の絵画の先駆的記念碑…

『飛鳥大和 美の巡礼』三(閑人亭日録)

栗田勇『飛鳥大和 美の巡礼』新潮社1978年初版、「三 常世の国・黄泉の国」を読んだ。常世、黄泉、面白い。《 もともと、世界観やイデオロギーは、一政府が、わずかな時代の期間に強制することによって、人人の情念を支配しきれるものではないことは、この度…

『飛鳥大和 美の巡礼』二(閑人亭日録)

栗田勇『飛鳥大和 美の巡礼』新潮社1978年初版、「二 飛鳥人の夢」を読んだ。この章も深い洞察と知見に満ちている。引用したい箇所が多すぎる。いや、私が無知 なのだろう。《 そして古代の古墳は、エジプトでもわが飛鳥地方でも、明らかに死後の世界をイメ…

『飛鳥大和 美の巡礼』(閑人亭日録)

栗田勇『飛鳥大和 美の巡礼』新潮社1978年初版、「一 弥勒の微笑」を読んだ。瞠目。四十年余書棚に眠っていたが、きょうをじっと待っていたようだ。 京都太秦広隆寺の、国宝指定第一号の半跏思惟像から筆が起こされる。《 美術とは、少なくとも、私にとって…

一日一本の路線バス停(閑人亭日録)

お風呂場の壁の白いタイルの目地の目につきだしたカビを洗剤で洗い流す。白タイルで連想したのが、北品川にあった旧原美術館の白タイル張りの小部屋。あれは どうなったのかな。 https://bijutsutecho.com/magazine/insight/19057 美術・芸術への情熱が薄れ…

免許返納(閑人亭日録)

友だちの免許返納に三島警察署へ同行。事故に起こす前に返納したほうがいい。私なんざあ運転免許を取得したことがない。無免許で運転(例えば私有地で)したことも ない。ハンドルを操作したこともない。アクセルもブレーキも知らない。ないないづくしなので…

『Portokali』 Violeta Ikari(閑人亭日録)

昨日の山中恒(ひさし)『おれがあいつであいつがおれで』、これはジェンダーの先駆けとしてつりたくにこに並ぶのでは、と思った。 ギリシャの歌姫Violeta Ikari(ヴィオレッタ・イカリ)のCD『Portokali』がやっと届く。ソロ二作目。一作目は未聴。いかに…

『おれがあいつであいつがおれで』(閑人亭日録)

山中恒(ひさし)『おれがあいつであいつがおれで』旺文社文庫1991年重版を読んだ。これは面白い! 傑作だろう。大林宣彦の解説冒頭。《 この物語は、そもそもが旺文社の学習雑誌「小6時代」に、一九七九年の四月号から、一年間にわたって連載されたもので…

きょうもゆっくり(閑人亭日録)

ネット注文した家庭用マンホールの蓋が届く。築41年、床のマンホールも経年劣化。お前もか。 きょうもゆっくり過ごす。味戸ケイコさんへ手紙を認める。 書きながら浮かんだ歌は沢田研二『時の過ぎゆくままに』。EPレコード盤(シングル盤)でよく聴いた。 …

雨、休養日(閑人亭日録)

午前、雨の中郵便局で用事を済ませ、近所の病院へ。こんなに多くの来院者が。ほどなくして診察、治療。この歳になると細々とした体のメンテナンスが必要に。昼帰宅。 雨音を聞く。昨日の案内で日焼けした腕を見る。来し方を回想。蔑み、鬱、挫折・・・いろい…

視察案内(閑人亭日録)

芝浦工業大学の教授、学生ら二十人ほどを源兵衛川などへ案内。午後二時半帰宅。喜んでもらえたようで、やれやれ。 ネット、うろうろ。《 地獄絵図。なんで日本ってこんなにナンクセ文化なんだろうか。衰退するのもわかる。……この子たち、スゴいよ。誰も思い…

 用のない一日(閑人亭日録)

何の用もない一日。ゆっくり過ごす。昼前、近所のスーパーで四枚切り食パン、安い白ワイン(友だち用)、コーヒー豆(一杯用の個包装)、バナナ。どの銘柄も不動。 ここ数年好みは変わらず。昨日来た年上の知人女性は、川崎市の自宅を売って三島へ引っ越した…

北一明の知人来訪(閑人亭日録)

北一明の上海での個展に同行した知人女性が昼に来訪。久闊を叙す。源兵衛川を通って我が家へ。北一明の「書」を受け取る。終活の一端。お土産に向かいの桜家の 鰻弁当を手渡す。とても喜ばれる。よかった。 http://sakura-ya.net/ ネット、うろうろ。《 僕も…

北一明基本情報(閑人亭日録)

北一明についてぽつぽつ書いてきたが、私の得ている基本情報をまとめた。 北一明 略年譜・著書・主な収蔵先 http://web.thn.jp/kbi/kihi.htm 北一明作品論評より http://web.thn.jp/kbi/kitaron.htm 北一明作品より http://web.thn.jp/kbi/ksina.htm 北一明…

北一明カレンダー(閑人亭日録)

サイズはバラバラだが、多くがB3サイズの北一明カレンダーで、所持しているのは以下。サイズは特記以外縦B3。 「1988-AFTER HIROSHIMA 43 「カレンダー刊行10周年記念」 縦A2 「1989=AFTER HIROSHIMA 44 「地球よ永遠に美しくあれ!」 横B3 「1990=A…