2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『唯識・華厳・空海・西田』再読四(閑人亭日録)

竹村牧男『唯識・華厳・空海・西田』青土社2021年4月30日第1刷発行を少し再読。《 前章において、唯識の世界観の概要を見ることが出来た。その意図しているところは、世界には常住の本体を持つ実体としての我もなければ物等もないことを、明らかに すること…

『唯識・華厳・空海・西田』再読三(閑人亭日録)

竹村牧夫『唯識・華厳・空海・西田』青土社2021年4月30日第1刷発行を少し再読。《 唯識思想では、識に眼識・耳識・鼻識・舌識・身識の前五識、第六意識、第七末那識と、第八阿頼耶識の八識を立てる。この八識が、人間だという。 》 第一章 唯識の哲学(一) …

『唯識・華厳・空海・西田』再読二(閑人亭日録)

竹村牧男『唯識・華厳・空海・西田』青土社2021年4月30日第1刷発行を少し再読。《 先取りして言えば、唯識の識とは、物でないことはもちろん、物に対する心なのでもなく、いわば事そのものなのである。唯識とは、唯事ということにもほかならず、まさに事的世…

『唯識・華厳・空海・西田』再読(閑人亭日録)

竹村牧男『唯識・華厳・空海・西田』青土社2021年4月30日第1刷発行を少し再読。「はじめに」から。《 密教は他の仏教を顕教と呼んで、自らの思想はどの顕教よりもはるかに優れていると主張する。しかし特に華厳思想の影響を強く受けていることは否定できない…

『ロルカ詩集 優しい恋歌』(閑人亭日録)

ガルーシア・ロルカ『ロルカ詩集 優しい恋歌』サンリオ・ギフトブック 1975年7月10日初版を読んだ。訳者小海永二「ロルカの詩」の結び。《 ここには、沢山のロルカの詩の中から特にわたくしの大好きな詩ばかり集めました。愛唱して可愛がって頂けると幸いで…

半世紀ぶりの再訪(閑人亭日録)

午後、知人の車に同乗。愛鷹水神社(あしたか・みず・じんじゃ)へ。半世紀ぶりの再訪。鬱蒼と茂る杉林の中の車一台がやっと通る林道をなんとか抜けると、やや開けた駐車場。車を降りると「愛鷹教会水神社」の石柱。山奥の冷気(霊気?)を全身に浴びながら…

時の過ぎ行くまま(閑人亭日録)

何の用事もない日。時の過ぎ行くままにゆっくり過ごす。はずが、午後友だちに誘われてお散歩に出ると、関西からの旅行者と思しい三人の御婦人に遭遇、源兵衛川上流へご案内。水没の光景に驚く。白滝公園で三島駅へ戻る三人とお別れし、桜川を遡り、菰池へ。…

返送(閑人亭日録)

一昨日レターパックで届いた服部独美『教皇庁の使者 祈りの島』国書刊行会二〇二三年六月二十日初版第一刷。私の住所は合っているが、宛名の姓は堀越。差出人の手違いの可能性がある。レターパックで返送。 午後、富士市の白砂勝敏ギャラリーを開いている方…

『教皇庁の使者 祈りの島』(閑人亭日録)

昨日著者からご恵送いただいた服部独美『教皇庁の使者 祈りの島』国書刊行会二〇二三年六月二十日初版第一刷を少し読んだ。 ネット、うろうろ。《 富士山の湧水が集まる楽寿園の小浜池が満水に 2年ぶりという早い時期での満水は60年ぶり 静岡・三島市 》 静…

「サンリオ ギフト・ブック」(閑人亭日録)

サンリオ ギフト・ブック(と文庫)を整理していて、東君平『紅茶の時間』1976年6月30日初版が目に留まり、開く。「本」。《 本 傘屋の店先の傘たちは まだ 雨の冷たさをしりません 靴屋のウィンドーに飾られた あの靴たちも 道の遠さをまだしりません ただ …

有限性(閑人亭日録)

有限性という言葉が心を捉えた。限界、境界といった言葉に座りの悪さを感じていたが、それは外側からの見方。有限性とは内側からの言葉、と自分は考える。限界突破というよりも有限性を破る、突き抜ける、と言ったほうが私には馴染みやすい。去年の秋、縄文…

「北一明 記念館準備室」(閑人亭日録)

北一明の耀変花活けを卓上に置いてしばし鑑賞。拙い言葉では言い表わせない迫力。画像ではその魅力は半分も伝わらないだろう。彼の本には未掲載。ここまで書いてふとネット検索すると、ウェブサイト「北一明 記念館準備室」に遭遇。 https://www.kitakazuaki…

輝き 香り立つ(閑人亭日録)

朝、友だちがテレビを見ていた。NHK「小さな旅 仙台 ジャズ輝く」。ジャズ店「COUNT」。おお、半世紀前訪れた店。マッチ箱持ってるよお。学生時代、気になるジャズ喫茶を列車に乗って訪ねた。稚内、弘前、一関、仙台、東京、沼津、京都。マッチ箱は…

グラウンドワーク三島年次総会(閑人亭日録)

午後、グラウンドワーク三島年次総会へ出席。事業報告で、台湾政府の職員と大学関係者が、グラウンドワーク三島の手法を学びにほぼ毎月来訪するという。 http://www.gwmishima.jp/ 帰り道、源兵衛川最上流部を眺めると、子ども子ども子ども。この天気と暑さ…

『田中清玄自伝』(閑人亭日録)

本棚の前に積もった本の壁を崩す(整理する)と、無いと思っていた『田中清玄自伝』ちくま文庫二〇〇八年五月十日 第一刷発行が出て来た。再読しかたったよお~。 「第二章 昭和天皇と玄峰老師」を再読。《 この竹倉温泉ですが温泉という名前はついています…

再生~創成のアート(閑人亭日録)

デザインの仕事をしていた内野まゆみさんが去年の秋から作っている、縦横30ミリ厚さ15ミリの木片に着色、私が源兵衛川で回収してきた茶碗のカケラを綺麗にして、それに接着し、裏側に磁石を接着。かわいいメモ用紙留めに仕上げているが、それがフェイスブッ…

交換(閑人亭日録)

午後、友だちの来客を源兵衛川などへ案内。半世紀余り前を知っているので、当時あった店の名前を告げる。懐かしがっていた。見送ってすぐ電気業者が来訪。二階と三階の換気扇を交換。ついでに掃除機の買い替えを依頼。あれやこれやでくたくた。 ネット、うろ…

休養、療養(閑人亭日録)

休養日。身近に療養日の人もいる。 昼前、年上の女性画家から葉書。年始以来の入院から退院、自宅療養中、と。よかったあ。返事を投函。様子を見て見舞いに行かねば。 休養日だが、昨日雷井戸で見つけてしまったヒメツルソバを午後、駆除に行く。昨日の雨で…

『岩田榮吉画集』(閑人亭日録)

『岩田榮吉画集』求龍堂1995年7月15日発行を開く。117点の油彩画、14点の水彩画・グァッシュ、参考作品70点を収録。全作品集といってよいだろう。渡辺守章「聖変化 あるいは岩田榮吉の世界」が読ませる。《 ところが、77年の個展の、たとえば「オルゴール人…

杳々たる暗色(閑人亭日録)

黒曜石から連想して、手元にある北一明の黒茶碗を黒耀変茶碗と仮に呼んでいる。黒色というとただの黒い物体や絵しか思い浮かばないが、岩田榮吉~長谷川潔~ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの黒系統の深い色味に惹かれる。三者とも色味はかなり異なっている。…

『櫻庭優 作品集』(閑人亭日録)

本棚の『岩田榮吉 作品集』の隣に同じ大きさの『櫻庭優 作品集』東京セントラル絵画館1980年10月。「さくらば・まさる」と読む。これまた新聞記事を読んで出かけていった。《 作者はパリで長谷川潔の知遇を得ている。また岩田栄吉、小杉小二郎と常に行き来す…

『岩田榮吉 作品集』(閑人亭日録)

本棚から『岩田榮吉 作品集』東京セントラル絵画館1977年10月発行を取りだす。挟まっている毎日新聞の劣化し退色した紹介記事「”ひねり”利いた油彩」冒頭と結び。《 パリで制作して二十年になる岩田栄吉が、日本で七年ぶりの個展を、東京・銀座二の七、銀座…

『感性は感動しない』再読・三(閑人亭日録)

椹木野衣『感性は感動しない』世界思想社2018年7月31日第1刷発行の再読を進める。《 いまでも若い世代を見ていると、写実の絵画よりも抽象の絵画のほうが高度だと考えてひとり悦に入っているクチを見かけます。青春期に特有な自尊心の表れでしかなく、絵を描…

『感性は感動しない』再読・二(閑人亭日録)

椹木野衣『感性は感動しない』世界思想社2018年7月31日第1刷発行を少し再読。《 私は、しばしば睡眠中にとても大きな発見をします。正確には、睡眠中ではなく、寝て起きたあとで思い出す、というかたちをとります。 》 118頁 5日の拙ブログ。《 未明、ガバ…

『感性は感動しない』再読(閑人亭日録)

椹木野衣『感性は感動しない』世界思想社2018年7月31日第1刷発行を少し再読。内容はすっかり忘れている。《 批評家といっても弁士ではなくあくまで物書きなので、考えというのは書くときにあとからやってきます。前もってまとめるわけにはいきません。だから…

『かなしいひかり』(閑人亭日録)

昨日は原宿の喧騒に辟易して、ギャラリーへ着くまでに疲れてしまい、会場ではテーブルをはさんで味戸さんに熱心に話している人・・・。狭い会場の壁の下半分は本棚。上半分に味戸さんの小品。事務所の空いた壁に並べただけ、という印象。味戸さんに挨拶して…

味戸ケイコ展(閑人亭日録)

東京原宿、ギャラリー装丁夜話での味戸ケイコ展「オリーブの雨上がり」へ友だちと行く。味戸さんにご挨拶。午後三時過ぎ帰宅。 https://www.souteiyawa.com/gallery/ https://www.instagram.com/ky3_aj8.ryo5/ 源兵衛川上流部の水位がぐっと上がっている。水…

『仮面物語』帯と解説(閑人亭日録)

山尾悠子『仮面物語 或は鏡の王国の記』徳間書店1980年2月29日第1刷、帯(小松左京)と解説(荒巻義雄)が読ませる。一部を転載。《 彼女は、その若さにもかかわらず、彫琢された文章を鋭いランセットのように駆使して、幻想文学と象徴主義文学の境界領域と…

『仮面物語』二(閑人亭日録)

山尾悠子『仮面物語 或は鏡の王国の記』徳間書店1980年2月29日 第1刷を四十年ぶりに再読を進める。雨風吹き荒れる中、この物語を読む奇遇。《 川の氾濫で数本の橋が落ち、鏡市は今、完全な孤立状態にあった。 》 145頁《 「──自分のたましいの顔を見ること自…

『仮面物語』(閑人亭日録)

国書刊行会から復刊されたのを機に、山尾悠子『仮面物語 或は鏡の王国の記』1980年2月29日 第1刷を四十年ぶりに少し再読。冒頭一行から惹き込まれる。 https://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336075031/《 尾を落として、滑るように進んでいく虎の後ろ姿が…