2024-12-01から1ヶ月間の記事一覧
午前七時 気温1.2℃ 湿度94%。七時過ぎ、朝日が昇って起床。未明~夜明け前、通りは若い男女の弾んだ声、声、声。酔っぱらっているようには聞こえなかった。街は眠らない。 午後、病院へ。彼女は夜が眠れないとぼやく。私もそうだった。真夜中、病室を抜け出…
午前六時前、冷えた暁闇の底で言葉が浮かんだ。 「杳(はる)かなる震源」 続いて浮かんだ言葉。 「暁闇と旭光の狭間」 私の推すKAOSU(北一明 味戸ケイコ 奥野淑子 白砂勝敏 内野まゆみ)の、私の惹かれる作品は、暁闇と旭光の狭間を想起させるものだ…
奥野淑子(きよこ)をネット検索していて、六月十日の拙日録「奥野淑子 内田公雄(閑人亭日録)」に遭遇。 https://k-bijutukan.hatenablog.com/entry/2024/06/10/203339 書いたこともすっかり忘れていた。ネット検索はえらい。近代・現代木版画展なる展覧会…
『青い日記帳』で今年の展覧会のまとめの記事を紹介していた。 https://bluediary2.jugem.jp/?day=20241227 今年は展覧会を一つも見に行かなかった。体調を考えたせいだが、見に行きたい、見なければ、と心を動かされる展覧会はなかった。風光明媚な名所、絶…
南條竹則『ドリトル先生の英国』文春新書 平成12年10月20日 第1刷発行を読み進める。 「第六章 世界の友」《 先生は、人間や動物を、心根や能力でしか評価しない。 》176頁《 人間も虫も平等に扱うドリトル先生は、人間界の地位も身分も、年齢も、人種も意に…
南條竹則『ドリトル先生の英国』文春新書 平成12年10月20日 第1刷発行を読み進める。 「第四章 ドリトル先生と女性」 「第五章 ドリトル先生と階級社会」《 ジップを見ならい、ドリトル先生も動物のための福祉活動にのりだす。その一つが「休養牧場」だ。(…
南條竹則『ドリトル先生の英国』文春新書 平成12年10月20日 第1刷発行を読み進める。 「第三章 ドリトル先生の食卓」《 ドリトル先生をはじめとして、この物語に登場するキャラクターは、人間も動物も食べることが大好きである。 》79頁《 シリーズの後の方…
南條竹則『ドリトル先生の英国』文春新書 平成12年10月20日 第1刷発行を読み進める。 「第二章 興業の世界」 《 しかも、ドリトル先生は金銭感覚がまったくないときている。 》40頁《 思うに、ドリトル先生の金銭感覚の欠如は、物語の大きな魅力の一つだ。し…
南條竹則『ドリトル先生の英国』文春新書 平成12年10月20日 第1刷発行を本棚から抜く。 「はじめに」《 私は、だから『ドリトル先生』をもう一度読んだら面白いだろうな、と長いこと思ってきた──そう思いつつ、歳月の過ぎ行くにまかせていたが、このほど機会…
午後、一人で病院へ。彼女との日常の会話が戻って来た。退屈で動きたくて注文を言う。しかし、点滴はまだ外せない。また、あした。 バス停で晴れた冬空を見上げる。さほど寒くはない。やがてバスが来る。 吉村妃毬のテレビ番組をYouTubeで視聴。 https://www…
カーテンの隙間に朝日が射してきたので起床。冬至の陽射しは明るい。これから日が伸びる・・・おはよう。 午後、彼女の弟さんご夫婦の車に彼女の娘さんと同乗。病院へ。彼女は徐々に恢復しつつある。彼女らしい会話が戻る。雨が降り始める。冬至に雨は記憶に…
午前七時気温 -1.4℃。寒い。が、真冬仕様の布団はぬくぬく。抜けるような冬空。 冬天を降り來て鐵の椅子に在り 西東三鬼 冬天・・・凍天、凍土、凍河。寒すぎるのはやだな。五十年あまり前、二月の朝の摩周湖や知床半島の流氷を眺めた。当然氷点下だったが、…
ヒュー・ロフティング『ドリトル先生の楽しい家』八篇目「迷子の男の子」を読む。動物好きな迷子の男の子を家に泊めた騒動を描く。まあ、手の焼ける子どもの行動心理をよくつかんでいるわあ。《 このおかしな子どもは、どうしても動物の世話係りになるのだと…
ヒュー・ロフティング『ドリトル先生の楽しい家』七篇目「虫ものがたり」を読む。クルミの木の実の中に住んでいるウジ虫の話。《 しかし、ウジ虫の社会にもニュースは伝わります。しばらく前に私の住んでいたある部落は、たいていの部落よりもずっと社会生活…
ヒュー・ロフティング『ドリトル先生の楽しい家』五篇目「カンムリサケビ鳥」、六篇目「あおむねツバメ」を読む。どちらもツバメが主役。「あおむねツバメ」は、アニメーションに相応しい短篇だ。面白い。どれも気持ちよい読後感。今の私にピッタリ。気持ち…
ヒュー・ロフティング『ドリトル先生の楽しい家』四篇目、「気絶した男」を読む。おお、シャーロック・ホームズへの見事なパスティーシュ作品だ。《 「すると、『気絶した男の怪事件』は、もう終わりをつげたというわけか。クリングはなかなかの名探偵だ。気…
ヒュー・ロフティング『ドリトル先生の楽しい家』三篇目、「犬の救急車」を読む。《 犬の救急車の初乗りは、スリルにみちた経験でした。救急班員にとっても、見物している町も人にとっても、まただれにもまして、患者自身にとっても、そらはわくわくするよう…
ヒュー・ロフティング『ドリトル先生の楽しい家』二篇目、「ぶち」を読む。犬の品評会で数々の賞を獲った純血種の、ダルマチア種のぶち犬の受難と逃走劇を、犬自ら語る。まあ、ひどく高慢なお金持ちのご婦人に買われた(飼われた)不運な犬よ。ドリトル先生…
最初の一篇「船乗犬(ふなのりいぬ)」を読む。参った。傑作だわ。今宵読んで大正解。南の海で難破した船に乗っていた犬と若い船乗りの生還までを、その犬が語るお話。筋に関係なく、心に刺さった文。《 犬はひとりの人間の友がいてくれれば満足します。けれ…
午後、彼女の娘さんと病院へ。行きの電車に乗車中、通り雨に遇う。東の田圃から二本きれいに並んで立つ虹。こんなの初めて目にする。吉兆を感じた。 彼女は眠っている。医師の説明を受ける。「退院」の言葉が出る。ずいぶん先のことだけれど、安堵する。 昨…
風が吹かず、穏やかな冬の日。何か日常の作業をしなくては。ゆっくりと洗濯物を干す。いい陽射しだ。しばし日光浴と思ったが、寒いわ。風呂場をゆっくり洗う。ふう。朝の作業は一段落。コーヒーを淹れる。日差しが部屋の奥にまで届く。太陽の動きが速い。時…
昨日、拙日録をしばらくお休みする、と書いたが。彼女が昨日未明から集中治療室で治療しているので、自宅に一人でいるのがとてもつらい。何も発表しないつもりでいたけど、公開することで気持ちが少しは落ち込まないかも、と思った。彼女は今、旅に出ている…
南伸坊『モンガイカンの美術館』朝日文庫1997年5月1日 第1刷発行の再読を進める。 「カーワイーイ」《 ボテロさんはいっている。 「ラファエロのようなリアリスティックだとみなされている画中の画家の人物が、街で歩いているのに出くわしたら、人はショック…
南伸坊『モンガイカンの美術館』朝日文庫1997年5月1日 第1刷発行の再読を進める。 「マチスはNOWい」《 マチスの絵はひと言でいって、急いでいる絵である。なるべくいらぬことをしないように、ズバリをなんとかひとつ、パッとこういきたい、モタモタして…
南伸坊『モンガイカンの美術館』朝日文庫1997年5月1日 第1刷発行、昨日の「芸術はなんでもないものである」から少し引用。《 要するに、コムズカシイことをいって、眉間にシワのいった人が電灯をいっぱいつけた真っ白けな画廊屋さんちで「芸術です」といって…
南伸坊『モンガイカンの美術館』朝日文庫1997年5月1日 第1刷発行、前半は、「芸術は〇〇である」がずらりと並ぶ。 「芸術はUFOである」 「芸術はウソである」 「芸術は冗談である」 「芸術はキチガイである」 「芸術はリクツである」 「芸術はヤミクモで…
南伸坊『モンガイカンの美術館』朝日文庫1997年5月1日 第1刷発行で荒川修作とともに一際印象に残っている一編は「ビュッフェ氏は忙しかった」。冒頭。《 私は急いでいたのである。 》293頁《 会場につくと、私はひとわたり見て回ったのだが、異常に足早に見…
南伸坊『モンガイカンの美術館』朝日文庫1997年5月1日 第1刷発行を取りだす。これは元本(1983年、情報センター出版局)で読んでいるけど、誰かに貸したら戻ってこないので、文庫で買い直した。「まえがき」から。《 専門家の美術評論なぞクサルほどある。素…
昨日の寺山修司詩集『わけもなくさみしかったら』の本家、エーリッヒ・ケストナー『人生処方詩集』ちくま文庫一九九二年六月二十日第三刷発行を開く。栞が挟まれている78頁を開く。それから長い詩、短い詩いろいろある中で、ぐっとくる短い詩を少し。《 現代…
寺山修司詩集『わけもなくさみしかったら』サンリオ・ギフト文庫一九七六年十二月一日発行を取りだす。帯の惹句。《 もうケストナーはいないから もう一つの人生処方詩集です 》 最初の詩「ひとりぼっちがたまらなかったら」10頁の左頁には上野紀子の鉛筆画…