『現代の美術 2 幻想と人間』(閑人亭日録)

『art now 現代の美術 2 幻想と人間 』講談社1971年4月12日第1刷発行を開く。これはまた強烈な幻視力に満ちている。編著・岡田隆彦。章立て。 1 ユートピアと世界の終末 2 存在の秘密にせまる 3 原型的な幻想の展開 4 エロスの地平 5 イメージの計略 …

『現代の美術 1 先駆者たち』(閑人亭日録)

『art now 現代の美術 1 先駆者たち』講談社1971年11月20日第1刷発行を開く。編者は高階秀爾と中原佑介。高階秀爾「はじめに」から。《 第二次大戦後の世界の美術は、これまでの歴史にかつて見られなかったような多様な変貌を示している。戦後4半世紀のあ…

東京行きは見合わせ(閑人亭日録)

曇天の昼前、源兵衛川最下流部のヒメツルソバを抜く。土のう袋に目一杯詰め込んで帰宅。水を浴びる。ふう。やれやれ。 コロナ禍再燃で東京の個展へ行けない。 福山千佐子個展「花裂ける、廃絵逆めぐり」 https://kamomebooks.jp/gallery/3215.html 佐竹邦子…

白砂勝敏さんの流木造形作品(閑人亭日録)

昨日の白砂勝敏さんの流木造形作品を見て思い浮かんだ文章。《 「固い」ということは、動き「難い」ということです。固いと難いは同じコトバなのです。あいていれば何処へでもいけます。飛行機や劇場の席を予約するのも、 あいている場所を確保することです…

『野口体操・からだに貞(き)く』三(閑人亭日録)

野口三千三『野口体操・からだに貞(き)く』柏樹社1984年8版、「V 体操とは占いである」を読んだ。《 気(き)や気(怪・け)の非合理の世界に強い関心をもつ私は、常識的には醜悪感・嫌悪感をもってみられるような無生物・生物・人間の、形・色・臭・動き…

『野口体操・からだに貞(き)く』二(閑人亭日録)

野口三千三『野口体操・からだに貞(き)く』柏樹社1984年8版、「III からだとコトバの探検」を読んだ。《 ”動き”というものの原動力は、”重さ”だということは、文字を調べる前に私は気がついていましたけれども、それを四千年も昔に、蒼頡(そうけつ)たち…

『野口体操・からだに貞(き)く』(閑人亭日録)

野口三千三『野口体操・からだに貞(き)く』柏樹社1984年8版、「I 体操による人間変革」を読んだ。《 まず皮膚という薄い、柔らかい、大小無数の穴のあいている一つの生きた袋がある。そして、その中に液体がいっぱい入っていて、骨、内蔵、もちろん脳やな…

「かわいい」の向こう(閑人亭日録)

味戸ケイコさんの絵で「かわいい!」という絵は少ない。彼女の絵の少女、女性は、孤立、個立、個律の三つに分類できる。 http://web.thn.jp/kbi/ajie.htm 「かわいい」が席捲した平成時代。『日本美術全集 第19巻 戦後~1995 拡張する戦後美術』小学館2015年…

『「かわいい」論』再読(閑人亭日録)

昨日話題の”かわいい”から四方田犬彦『「かわいい」論』ちくま新書2006年1月10日初版を久しぶりに再読。冒頭。《 一九九四年のことであったが、イタリアのボローニャという大学町に滞在して映画史の勉強をしていたころ、(引用者・略)わたしが驚いたのはポ…

『ART NOW 現代の美術3 情念の人間』(閑人亭日録)

野村太郎・編『ART NOW 現代の美術3 情念の人間』講談社1971年6月25日第1刷発行を、今はない近所の古本屋で500円で買ったのは昭和の終わり頃か。”ART NOW”とは、 アートは今、といった意味だろう。”情念の人間”という題名に惹かれた。第二次大戦後25年間に…

「レオポルド警部の密室」(閑人亭日録)

《 身延の帰り甲府で下車、 愛する歌人三枝浩樹に会い、酒を飲んだ。 《一片の雲ちぎれたる風景にまじわることも無きわれの傷》 彼の学生時代の歌を諳んじながら、 夕空に目を遣ると UFOらしき物体が 写っていた。 》 福島泰樹https://twitter.com/yasuki…

川の生きもの探し(閑人亭日録)

朝、源兵衛川最下流部で、地元の小学四年生八十人余の、川の生きもの探しのお手伝い。ワイワイ賑やかにタモを持って動き回る。解放された水遊び。 先生も楽しんでいる。そりゃそうだわ。モクズガニからハヤまでいろいろいるんだから。モクズガニなんか数年前…

『生ける物質』五(閑人亭日録)

米田翼『生ける物質──アンリ・ベルクソンと生命個体化の思想』青土社2022年6月10日初版、「第二章から第六章までの総括」を読んだ。《 とはいえ、何が基礎的かはある意味ではどうでもよい。この世界が創造に満ち溢れていること、そして、我々人類だけでなく…

『生ける物質』四(閑人亭日録)

米田翼『生ける物質』青土社2022年6月10日初版、「第六章 自然における意識の位置づけを問い直す──心的活動の進化と組織化の諸相」を読んだ。《 ここでは、まずは最も基礎的なレベルの組織化として、生物界の全域に渡って観察される感覚-運動システムの組織…

『生ける物質』三(閑人亭日録)

米田翼『生ける物質』青土社2022年6月10日初版、「第四章 ミクロな世界で蠢く生物たちの自由──個体性と行動の問題」を読んだ。《 以下では、本章の結びとして、個体性・行動・老化・遺伝の関係を整理することにしたい。 1 個体性と行動:まずは、これまで見…

『生ける物質』二(閑人亭日録)

米田翼『生ける物質』青土社2022年6月10日初版、「第二章 生物とは何か──個体性と老化の問題」を読んだ。《 これに対して、私の解釈では、個体化と老化という特徴づけが不可分であるのは、個体性を示す場合には必ず老化し、逆もまた真であるというより強い意…

『生ける物質』(閑人亭日録)

米田翼『生ける物質』青土社2022年6月10日初版、「序章 生ける物質」を読んだ。 http://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=3688《 ベルクソンは生命進化の背後に組織化ないし個体化の運動を直観している。個体性、老化、遺伝、自発的行動といったトピッ…

谷文晁『夏山圖』(閑人亭日録)

朝、小雨。洗濯物を干す時には晴天、暑い。真夏日。 納涼気分で大冊の重い本、田島志一編輯兼發行『東洋美術大觀 第七册』審美書院明治四十二年十二月廿二日發行を卓上に置いて開く。巻末近く「第三百七十二、谷文晁 『夏山圖』」の白黒画像に見入る。これは…

NDLイメージバンク│国立国会図書館(閑人亭日録)

沖縄慰霊の日。《 NDLイメージバンクでは、浮世絵、図書、雑誌などの様々なメディアに載ったイメージをお届けします。 》 NDLイメージバンク│国立国会図書館 https://rnavi.ndl.go.jp/imagebank/index.html#top 一通り見たが、私の所蔵する版画は掲載され…

『日本掌編小説秀作選 II 花・暦篇』(閑人亭日録)

大西巨人・編『日本掌編小秀作作選 I 雪・月編』光文社カッパ・ノベルス1981年初版を、昨日にならって目次を記す。 内容目次 花の篇 死について 秋山清 善太と三平 坪田譲治 おたまじゃくし 北杜夫 或る別れ 北尾亀夫 椿 里見弴 忠僕 池谷信三郎 壁 島崎藤村…

『日本掌編小説秀作選 I 雪・月篇』二(閑人亭日録)

大西巨人・編『日本掌編小秀作作選 I 雪・月編』光文社カッパ・ノベルス1981年初版を当時購入。栗田勇『飛鳥大和 美の巡礼』新潮社1978年初版同様架蔵したまま 四十年、か。ネットに目次が掲載されていた。 内容目次 編者はし書き 大西巨人 短篇小説の復権 …

『日本掌編小説秀作選 I 雪・月篇』(閑人亭日録)

大西巨人・編『日本掌編小説秀作選 I 雪・月編』光文社カッパ・ノベルス1981年初版を開く。大西巨人「短篇小説の復権 I・II両巻について」の終わりに菊池寛が 「蓋(けだ)し短篇小説の極北であるかも知れない」と評して翻訳したハァバァト・ライリイ・ホウ…

『飛鳥大和 美の巡礼』八(閑人亭日録)

栗田勇『飛鳥大和 美の巡礼』新潮社1978年初版、「十三 遊行する神々」を読んだ。「十四 ナタラージャの舞踏」を読んだ。《 作家は、生(なま)の日常の目で、対象をみることはない。モデルをみるときも、素材の木を透視するときも、「フォルム」によってし…

『飛鳥大和 美の巡礼』七(閑人亭日録)

栗田勇『飛鳥大和 美の巡礼』新潮社1978年初版、「十 女人高野」を読んだ。《 一言にしていえば、古代の思想は、それが古いからといって、つねに単純とはかぎらない。古代言語構造をみても、その文化のイメージをみても、今日の私たちとは、 重視する細部が…

『飛鳥大和 美の巡礼』六(閑人亭日録)

栗田勇『飛鳥大和 美の巡礼』新潮社1978年初版、「八 大和路をゆく」を読んだ。「九 室生への道」を読んだ。未知の場所。《 イメージとは、たんに空想のことではなく、それが、意味のある統一体を予想させることをいう。つまり、地形は、ひとつの共同体が、…

『飛鳥大和 美の巡礼』五(閑人亭日録)

栗田勇『飛鳥大和 美の巡礼』新潮社1978年初版、「六 竜樹の下に」を読んだ。《 アルタミラにかぎらず、古墳についても、そこに描いた意識構造がしばしば忘れられている。だが、絵画もまた、言語の発生と同じく古いことが知られているが、 言語が、聞かれる…

『飛鳥大和 美の巡礼』四(閑人亭日録)

栗田勇『飛鳥大和 美の巡礼』新潮社1978年初版、「五 死の国の生者」を読んだ。高松塚古墳から始まる。《 極言すれば、この被葬者の人種的特徴がいずれであろうと、作者が外来者であろうと、そこに生れた芸術作品はあきらかに、日本固有の絵画の先駆的記念碑…

『飛鳥大和 美の巡礼』三(閑人亭日録)

栗田勇『飛鳥大和 美の巡礼』新潮社1978年初版、「三 常世の国・黄泉の国」を読んだ。常世、黄泉、面白い。《 もともと、世界観やイデオロギーは、一政府が、わずかな時代の期間に強制することによって、人人の情念を支配しきれるものではないことは、この度…

『飛鳥大和 美の巡礼』二(閑人亭日録)

栗田勇『飛鳥大和 美の巡礼』新潮社1978年初版、「二 飛鳥人の夢」を読んだ。この章も深い洞察と知見に満ちている。引用したい箇所が多すぎる。いや、私が無知 なのだろう。《 そして古代の古墳は、エジプトでもわが飛鳥地方でも、明らかに死後の世界をイメ…

『飛鳥大和 美の巡礼』(閑人亭日録)

栗田勇『飛鳥大和 美の巡礼』新潮社1978年初版、「一 弥勒の微笑」を読んだ。瞠目。四十年余書棚に眠っていたが、きょうをじっと待っていたようだ。 京都太秦広隆寺の、国宝指定第一号の半跏思惟像から筆が起こされる。《 美術とは、少なくとも、私にとって…