「けさひらく言葉」

 昼前、東京方面から旧友と彼女の女友だちが来訪。三島駅北口で待ち合わせ、そばの大岡信ことば館へ行く。谷川晃一「雑貨主義」展が催されている。画家谷川晃一が集めた世界の雑貨。実物の燈台がモデルの置物(アメリカ製)や銅版画家深沢幸雄氏が使うように、とくれた鉢などに目が留まる。昼食後は源兵衛川中流部へタクシーで移動。桜吹雪を楽しみ、水辺のクレソンを喜んで根っこから抜いてゆく。口に含んで「美味しい!」。女性にとっては花よりクレソン。自宅からタンカル袋(ゴミ袋)を二つ持ってくる。午後三時、三島広小路駅で見送る。

 ギリシャの歌姫(と言っていいのかなあ、私と同い歳)ハリス・アレクシーウ Haris Alexiou の二枚組ライヴ盤CD『 I DIKI MAS NIHTA ( LIVE )』に耳をそばだてる。1990年の録音で、カセット・テープでずっと聴いていたが、CDを買ってみて驚いた。臨場感の生々しさが画然と違う。最初の発声から一気に呑まれてしまう。おお、ここはライヴ会場だ。全身音声に包まれる。平伏〜(この前にも書いた気がするなあ)。
 http://www.ahora-tyo.com/detail/item.php?iid=3170

 最初に買ったのは、彼女のソロ二枚目のLPレコード『 Haris Alexiou 2 』で、ジャケット買い。大当たり。買ったのは、下北沢にあったバンブー・ハウスという輸入レコード店だったと思う。ソロ一枚目では買わなかったな。まだ買っていない。買う予定はない。
 http://www.ahora-tyo.com/detail/item.php?iid=3687

 昨日引用に使った塚本邦雄『けさひらく言葉 その一』毎日新聞社1982年初版には、加藤郁乎(いくや)の俳句も選ばれている。

《  薄氷(うすらひ)の有無の重なりうすれつゝ  》

《 十七音は、意味を求めて唇にのせる時、「有無のかさなりうすれつつ」消え去るさだめ。今一句「晩餐や不在を飾る咳ひとつ」もゴシック・ロマンスのごとく愉しい。 》

 当然だが、「咳」と「席」を掛けてある。別の鑑賞ページから。

《  うすらひやわづかに咲ける芹の花  宝井其角  》

 ぱらぱらと逆順に読んでいって出合った文。

《 斧ははや樹の根に置かる。されば凡(すべ)て善き果(み)を結ばぬ樹は、伐られて火に投げ入れらるべし。  「新約・マタイ伝」 》

 一昨日の「切株があり愚直の斧があり」を思う。ここまで深読みをする?

《 酔者は醒者よりも国家に取っては危険な人民である。  穂積陳重『法窓夜話』 》

 下戸の塚本邦雄は酔っ払いを毛嫌いしてそのことを書いているが、今は政権に酔う政治家と読むべきか。

 ネットのうなずき。

《 掃除機をかけるのが大変なのではなく、掃除をかけられる状態にするのが大変なのだ。我々に必要なのはルンバではなく、部屋をルンバライズしてくれる別の家電だ。 》

 ネットの見聞。

《 女子サッカー リトルなでしこがU−17女子W杯で初優勝…6戦全勝で23得点1失点 》
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140405-00180018-soccerk-socc

 いいニュースだ。

《 世界一に挑むリトルなでしこ。日本女子サッカーはなぜ強い? 》
 http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140404-00010000-sdigestw-socc

《 「サッカーを日本女性のメジャースポーツにする」
  「なでしこジャパンを世界のトップクラスにする」
  「世界基準の『個』を育成する」            》

 ネットの拾いもの。

《 道で「ケンタッキーはどこですか?」と訊かれた母。「アメリカじゃないんですか。」 》

《 将棋ソフトで対局中のコンピュータに、同時にエロ動画を再生させると、将棋も劇的に弱くなるらしい。 》