「雪女」

 昨日のこと。東京方面から来た旧友と彼女の女友だちが三島広小路駅の線路を渡るとき、女性が驚いて訊いた。「一方通行なんですか?」。駅構内も単線なのでそう思ったと、しばらくして気づいた。待避線がないのは珍しいことか。クレソンもそうだけど、他所の人に言われないと地元民は気づかないことがよくある。

 昼前、ブックオフ長泉店で五冊。大岡信『百人百句』講談社2001年4刷帯付、石寒太『「歳時記」の真実』文春新書2000年初版帯付、井上清天皇の戦争責任』岩波同時代ライブラリー1991年初版、B・スパンヤード『地獄を見た少年』岩波同時代ライブラリー1994年2刷、ペートル・ベックマン『πの歴史』ちくま学芸文庫2006年初版、計540円。午後俄か雨、雷鳴。最近天気予報がよく当る。

 きょう購入の大岡信『百人百句』講談社には眞鍋呉夫の俳句が選出されている。

《  春深くケサランパサラン増殖す

         ケサランパサランは白粉を食ふ虫なりといふ  》

《 真鍋呉夫との対談はすっかり忘れてしまったが、彼の句集が出たときにはすぐに読んだ。読んでみると、普通の俳人にはないロマネスクな味わいが句のなかにある。句集のタイトルを『雪女』(平成四)にしているように、雪女の句がいくつかある。(引用者:略)そのなかに、この「春深くケサランパサラン増殖す」の句があった。 》 81頁

 上記、昨日来訪の旧友が、この『雪女』の限定私家版46部を制作した。1993年6月1日発行の13番を当時購入。端整だけれど豪勢な作りの本。

《 本書『雪女』は、外函にNKベルネ夫婦函、内函はしおじ材くり抜き台置蓋式漆ガラス絵小窓付木函とし、引上巻紙に八女楮紙、表紙にはたてよこ楮紺色紙布。見返紙に八女楮紙、扉に雁皮紙を用い、著者俳句墨書・署名入りです。 》

《  口紅のあるかなきなに雪女

   花冷のちがふ乳房に逢ひにゆく

   雪  櫻  螢  白桃  汝が乳房  》

 上記三句優劣無縁極私的愛好。

 ネットの見聞。

《 平田オリザさんからの台湾速報 》
 http://blog.tatsuru.com/2014/04/06_0859.php

 ネットの拾いもの。

《 日本語が結構堪能なアメリカの知人から「『パトラッシュ』って、日本文化にだけ根付いてる<労働の守護聖人>の名前だと思ってた。『もう疲れたよパトラッシュ』ってみんな良く言ってるからさ。犬の名前だったんだ!」と言われたのでここに記す。 》

《 昨日のNHKラジオ「すっぴん!」のゲストは六角精児(いい芸名だと思う。井出情児を意識したか)。憧れる俳優に殿山泰司を挙げていた。それにしても六角、パーソナリティの高橋源一郎、アンカーの藤井彩子アナ三人あわせた結婚回数が11回(!)というのには笑った。みんな大人だ。 》