未読本・挫折本

 昨晩帰りがけにブックオフ長泉店に寄り、見送っていた宮部みゆき「あかんべえ」PHP研究所2002年初版帯付を買う。105円。ネットで調べたところ評判がいいので。宮部みゆき、デビュー作品集しか読んでないや。それが良かったので気になる単行本は買っている。それにしてもキレイな本だ。

 小春日和に誘われてお散歩に。ブックオフ長泉店で三冊。ローレンス・ノーフォーク「ジョン・ランプリエールの辞書」東京創元社2000年4刷帯付、手塚治虫リボンの騎士 少女クラブ版」講談社漫画文庫1999年初版、畠中恵「百万の手」創元推理文庫2006年3刷、計315円。
 「ジョン・ランプリエールの辞書」は定価5000円+税。とてもじゃないが新刊では買えなかった。待てば海路の日和あり、だ。ホント嬉しい。しかも読んだ形跡がない。

 若い頃挫折したスタンダール赤と黒」をぽちぽち読んでいる。「一八三○年のフランスの現実に則して読まれるべき本」(大岡昇平)といわれても、当時の知識は皆無の私。ま、想像しながら読んでいる。時代は違えども人間の本性はそんなに変わるものではない。ましてや恋は。
「あたしにとって、人生はあなたに会った日からはじまったのでした」
 この科白を知り合いの若い女性に披露したところ、大受け。「わたしも使いたい」
「ところが、この連中こそ、民衆にとって唯一の道徳の教師なのである。彼らがいなかったら、民衆はどうなるだろう? いつか新聞が将来司祭にとって代わる日がくるだろうか?」
 その後、新聞が司祭にとって代わった(そして今世紀、新聞の地位は低下しつつある)。この洞察には脱帽。二十歳の頃に「赤と黒」を読んだとてこの面白さがワカルはずはないわ。