白鯨・富士山

 昨夜遅くの雷と豪雨は日が変わっても続き、停電それから雷鳴。手探りでそばの懐中電灯を手にし、電気ストーブの電源を切る。そしたら復旧。読みかけのジェイムズ・スティヴンスン「大雪のニューヨークを歩くには」の「ニューヨークのハーマン・メルヴィル」の章を読み終えて就寝。暗転の人生を送った人だ。
 朝、富士山は厚い純白の雪。
 D・H・ローレンス「アメリカ古典文学研究」講談社文芸文庫「第十一章 ハーマン・メルヴィルの『モウビー・ディック』」を読む。
「これに匹敵する海の叙事詩を著した人は他にはいない。しかし、これは、深遠な意味を含んだ難解な象徴の書物であり、かなり退屈な本でもある。」
 そのとおり。
「白人の魂が運命づけられ、彼の白人の偉大な時代も運命づけられ、理想主義が、彼自身が、そして精神が運命づけられているのだ。/つまり反転である。」
 「白鯨」。すごい本だった。

 ブックオフ長泉店で四冊。大月隆寛「独立書評愚連隊 天の巻」国書刊行会2001年初版帯付、岸田今日子「子供にしてあげたお話してあげなかったお話」大和書房1994年初版、松尾由美「ブラック・エンジェル」光風社出版1994年初版帯付、横山秀夫「震度0(ゼロ)」朝日新聞社2005年2刷、計420円。