一推し本

 ネット知人から依頼された「今年の一推し本」に森岡正博 「意識通信」を選出、返信。

 昨日買った大月隆寛「独立書評愚連隊 天の巻」国書刊行会をパラパラと読む。書評がぎゅっと詰まった一冊で、持っていない本ばかりの評なので、手当たり次第開いたページを読むのが楽しい。帯には、
天下御免/書評は思想である。言論である。/ケンカ腰ブックガイド。」
 とあるが、そのとおりだ。著者の思考の骨格を見通し、思想の土台を掘り起こし、ぎゅっと論じている。読み応え十分(過ぎるかな?)。
 宮台真司ほか「サブカルチャー神話解体」パルコ出版の評の「現時点からのコメント」。
「とにかく、ヨメが悪いとオトコもシンクロしてダメになるという見本。皆のもの、自戒せよ。」
 自戒しなくては。でも、相手がいない・・・・。
 田中優子「江戸はネットワーク」平凡社の評の「現時点からのコメント」。
「そのへん、杉浦日向子や、さらには森まゆみといったあたりのもっと通俗的かつ品性に欠ける『江戸学』プロモーターたちの政治性とは、少し分けて考えたほうがいいようにも思う。」
 と、門外漢には親切。「ケンカ腰」だから政治性をすごく感じる。そこが好みの別れ道。好みではないからといって読まないのはもったいない本だ。
 「工場まちの探検ガイド」大田区立郷土博物館紀要第5号の評の「現時点からのコメント」。
「歴史や民俗学系の博物館できちんと元気な仕事をしているところは、実はそうたくさんはない。この大田区立郷土博物館はその少ない中のひとつ。」
 高橋松亭のことで訪問しているが、ここの展示には使命感と熱意を感じる。
 「ビックリハウス驚愕(びっくり)大全」NTT出版の評、「その通り。全く意義なし。」は「異議」の誤植だろうなあ。