似ている

 昨晩NHK衛星放送の歌番組で懐かし丸山圭子が「どうぞこのまま」1976年を歌っていた。おいおい本人かよお、と疑うほどの変貌→太り過ぎ。声も違〜う。途中で切ってしまった。当時買ったシングル盤を見て、丸山→美輪明宏みたいに変貌するならなあ、とぼやいた。そのときキャンディーズのシングル盤は「やさしい悪魔」だと気づいた。5日の記述は誤り。かわいい悪魔はランちゃんだ。
 記憶違いはままあることで。特に左右逆に記憶していることがままある。今展示中の内田公雄の抽象画だけど、朝未亡人から展示の絵が左右逆だったと電話。昨日絵の向きを確認をしたのだが、彼女の記憶違いだった。

 坂本司「仔羊の巣」創元推理文庫2006年の表紙、野原で仔羊がこちらを向いている石川絢士の絵から連想が働いた。向きは逆だけど西村京太郎「おれたちはブルースしか歌わない」講談社文庫1982年の表紙、大久保浩の絵だ。こちらは野原に年老いたダックスフント。やたらデブっとした体だ。これはロックバンド、ピンク・フロイドのアルバム「Atom Heart Mother(原子心母)」ジャケット1970年を下敷きにしている。まあ、オマージュといっていい。四角い画面にの右下には「STEREO」「YDS−0000」。可笑しかったのが、左下の五人の影絵(?)。これは1975年に出た元版の表紙、小林泰彦が描いた五人の輪郭を切り取ったもの。大久保浩は小林泰彦に敬意を表しているわけだ。
 無関係だけれども似ているって表紙もある。江國香織「ホテルカクタス」ビリケン出版2001年の表紙、佐々木敦子の絵と久世光彦「一九三四年冬−乱歩」新潮文庫1999年の表紙、建石修志の絵はどちらも西洋館の歪んだ階段。色調は異なっているが、作品の接近遭遇だ。
 接近といえば、「小池真理子のミスティ」ハヤカワ文庫2002年は大好きな装丁だ。ハヤカワ・デザインによるもの。画面が上中下に三分割され、中段に若い女性の魅惑的な唇の写真。同じ構図がリチャード・ニーリィ「殺人症候群」角川文庫1998年に見られる。こちらでは中段は右目だけが大きく。「Photo フォトニカ」。こういう似た表紙を並べて観るのも楽しい。