バス停められますか

 霜柱サクサク〜壮麗な落日。冬の一日。
 詩人・歌人早坂類さんの8日のブログに心が騒いだ。短歌の角宮悦子と井辻朱美を取り上げている。角宮悦子という歌人をどれほどの人が知っているだろう。そのごく少数に早坂類さんがいたとは。そういえば、早坂さんとは二十年ほど手紙メール電話で連絡しているけど一度も会ったことがない。角宮、井辻は本を読んだだけ。自宅からここへ持ってきたのは角宮悦子歌集「ある緩徐調」短歌新聞社1974年と井辻朱美歌集「地球追放」沖積舎1982年の二冊。
 処女歌集「ある緩徐調」は、以下の歌を読みたくて買った。

  純白のトックりセーター着て行くはひそかにイブの血を隠すため

  のけ者にされつつ空にみとれゐし鉄棒に逆さの少女期のわれ

  抱へたる薊に刺されて乳房あり告白するときめてはをらぬ

 二十代、歌集を手に愛唱止まなかった歌々だ。

 これらの歌は「短歌研究」昭和34年9月号の新人賞候補作だったと思うのだけど他の歌、

  真二つに割りし林檎は血をもたず唐突にわれは嫉ましくなる

  満天の星ひびき合ひわがための鎖となりて落ち来る怖れ

 はこの歌集に収録されていないようだ。うーん、残念。

  「地球追放」はその題名で買った。中井英夫の詩「地球追放」からとったのでは、と思った。

  風ふけば輪廻の鎖揺るるごと羊水の中の青き堕天使

 昼食後のお散歩でブックオフ長泉店へ行く途中、車から声をかけられる。飯を食おうと誘うので付き合う。それから二人でそばのブックオフへ。彼は久しぶりのお買いもの。1905円も。私は手ぶら。ポイントカードを持っていない彼は代金を置いてすたこら。すかさずカードを差し出すワタクシ。100円券ゲット。

 聞いたことのない旅行会社から電話。サイトを観ました、バス旅行で寄りたい、無料なんですね、バス停められますか。運転手が良ければ。きょうも内田公雄だからか無料だからか老若男女いろんな人が来る。拙ブログを読んでいる若い女性も来館。いやあ、こんなオジサンが恥を書き捨ててます、はい。