作品展示

 少し詰めすぎの感がするので壁面から二点撤去。今回の目玉は味戸ケイコさんの若き日の銅版画三点。1968年と 1969年の作。初公開。午前中に並べ終える。椅子に座ってしばし見回す。ま、これでいいか。結局、平台に置いた味戸ケイコさんの銅版画、坂東壮一氏の蔵書票等を合わせて52点の展示になった。品位の高い作品ばかりで見応え充分。昼過ぎ、故内田公雄氏の未亡人来館。今後の展覧について話し合う。午後三時前、名前を付けて展示準備完了。やれやれ。

 昨日買った阿佐田哲也「麻雀小説自選集」文春文庫の「後記」にこんな記述。
「普通、かなり打ち込んでやっていて強者と目されている者でも、資産を持っている者は資産を失なうし、もともと一文なしの者は健康を失なう。博打とは、深入りすればそうなるにきまっているもので、何かを得た以上何かを失なわないものはない。」
 身に沁みる。私の場合、失う以前に得ていないのだけど。例えば愛なんか。最近気に入っている言葉は「羨ましいけど憧れない」。これはセレブにたいする庶民の気持ち。同感。では愛は? 憧れるわ。愛をあきらめない人生ではなくて、あきらめきれない人生。なんか疲れるなあ。