晴れた空

 宮本美智子「男についての12章」文藝春秋、読了。昨日も書いたけど、女傑と特上極上の男たちとの雲の上のお話はじつに楽しかった。こんな特別なお話を書いた彼女の努力に敬意を表したい。引用したい本文はいくつもあるけど、それは我慢して「おわりに」から。「人生結婚三度説」を説いている。
「一度目は十代から二十代にかけての、いわゆる発情期に第一回目の結婚、」
「次に二度目の結婚がある。」「これは結婚の王道ともいうべき結婚だ。」
「この王道たる結婚で人類は繁栄し、健全な国家が守られる。」
 これはいわゆる普通の結婚。そして三度目の結婚へ。
「われらが『楽しい老後を目指す世代』の人たちにとっての結婚である。」
「私ならこの最後の結婚の相手として、ためらいもなくユーモアのある男を選ぶだろう。」
「男の知恵というのは、その究極のところは笑いのセンスにあることを、私は東西の男たちから学んできたつもりだ。」
「人生後半期のもっとも中身の濃い時期を、つまらぬ男と無駄な時間は過ごしたくないものだ。」
 こういうことを書く著者は、私の感想とは逆に多くの反発を招くかもしれない。が、そんな心配は放っておいて、私も努力しなくちゃ。ああ、その道のりはあまりに遠い。
 ついでに書いておくと、この本は「その年の売り上げ一位を飾る大ベストセラーとなった」(岡崎武志伊藤整「女性に関する十二章」中央公論社1954年への女性からの返答だろう。

 知人のウェブサイト「ネットゲリラ」に二階堂がコメントしていた。なんとまあ。