ファウスト、気宇壮大

 何日もかけてやっと昨夜遅くゲーテファウスト」を読了。その時雨が降ってきたが、朝、すげえ暴風雨で目が覚めた。八時半には止んだけど、ちょっと見たことのない雷雨だった。面白いものを見たわ。そういえば「ファウスト」にこのような雷雨の場面があった。そんなことしか記憶にない。何を読んだのか。気宇壮大な劇ではあった。登場人物が時空を超えて行き交うんだから。石川淳の小説を連想した。気宇壮大といえば、ブックオフ長泉店に丸谷才一「闊歩する漱石講談社2000年初版帯付があるけど、斎藤美奈子「誤読日記」朝日新聞社2005 年を読むと手が止まる。
「別のいひ方をすれば、海老にたつぷり衣をつけた天ぷらのやう。」
「外国文学と古典文学の引用のみで膨らんだ気宇壮大な漱石論。これが知識人の仕事、といふものなのだらうけれども。」
 やっと気宇壮大が出てきた。斎藤美奈子流にいふと、ファウスト浮気者といふことになりゃせんか。
 気宇壮大といえば小栗虫太郎黒死館殺人事件」が青空文庫で読めるようになった。快挙だ。