時代の変化

 日曜月曜日に利用した沼津駅三島駅平塚駅茅ヶ崎駅藤沢駅関内駅で、三島駅以外の駅に共通点を感じた。三島駅前の風景が異質なのだけど、他の駅前はどこか荒んでいる印象。三島駅前とは桁違いに大規模なビルが並んでいるが、その光景はいかにも都会でしょう、といった感じを表している。いや、表そうとしている印象を受ける。それにしては駅前の繁華街は殺伐としている。なぜだろう。ぶらぶら歩いてわかった。三島駅前以外のこれらの場所は区画整理がバッチリとなされ、広い車道、充分な歩道が確保されているのだ。広々とした風景だ。だけれども、四角四面のつまらなさをまず感じてしまう。三島以外の駅はどこも真平らな土地にある。よって区画整理が進んだ。三島駅前の道路事情は昭和前期と変わらない。その土地の歴史的要素に無理なくつながっている。車道も歩道も狭いし、道は曲がりくねっていて、その先が見通せない。車には不便この上ない。歩くぶんには困らない。向こう側へ横断するにも、車道の幅が狭いから楽。一言で言えば、無機質な直線的道路と、歴史的有意味性のある曲線的道路の違いだ。三島旧市街地の区画整理は戦後ろくに進まなかった。それが二十一世紀には歴史的有意味性を感じさせ、歩くのが楽しい街並みになった。いや、生活道路への市民の不断の手入れによって、綺麗な街並みになった。なにもしなければ、埃っぽい時代遅れのみすぼらしい街並みのままだった。来るべき時代の感性の先読みが当たったからだろう。それはその土地の歴史性を重視した景観形成と地元住民の記憶の再現に沿うことを心がけたからだ。
 27日(日)午前8時からのNHKテレビ「小さな旅」三島編が楽しみだ。

 ブックオフ長泉店で三冊。「角川日本地名大辞典 22 静岡県角川書店1982年初版箱月報付、鴨下信一「忘れられた名文たち」文春文庫1997年初版、作者不詳「我が秘密の生涯」河出文庫1998年初版、計315円。大辞典が重くて、一旦手にした文庫本を棚に返した。帰りに寄って買うだろうな。