ほたるまつり

 昨夜十周年を自宅で一人祝うのもなんだかなあ、で、出かけようとしたら驟雨。遣らずの雨か。別に感慨もないけど、K美術館、よくぞ一人で十年やってきたとは思う。知人女性からメール。

  あれから、ボイス・キューも10年の節目を迎え
  おかげさまで、長いお付き合いをいただいていること
  感謝申し上げます。

  これからも、よろしくお願いします。

 かしこまられると困っちゃう。彼女も30歳か。

 自室の床には最近買った十数冊の文庫本がモザイクのように置かれている。表紙を眺め一冊を取ってぱらぱらと読むのが好き。今回は岡留安則「武器としてのスキャンダル」ちくま文庫2004年。
 「集団のもつ『悪の論理』に鈍感ではプロとはいえない」とゴシック体で書かれた項目。
「社員どうしの友情なんてものは最初からむしろみせかけの『タテマエ』と思った方が無難であるし、時に礼にかなっているとさえいえるのではないか。」
 会社勤めをしなくてよかったとつくづく思う。
「『噂の真相』は雑誌界においては前代未聞ともいえる黒字体制のまま休刊を宣言した。」
 買ったことはなかったけど、凄い雑誌だったんだ。打たれ強くなくては25年間も続かなかったなあ。はて、K美術館は第二幕はどんな展開をするのであろうか? まるで他人事だな。

 毎日新聞朝刊には10万円で現代アートを買う=入門、といった記事。オイオイ10万円とはお高くはねえか、だ。昨日来館された若い男性にも述べたことだけど、先ずは3万円以下で好きな版画を買うところから始めるのがよろしい、というのが私の考え。大体、十年前に買った佐竹邦子さんのリトグラフは5千円、奥野淑子さんの木口木版画も5千円。林由紀子さんの蔵書票にいたっては3千円だ。そこから始めるべきだろう。10万円とは、画廊にいいようにあしらわれるカモの典型例だ。

 午後は三島市楽寿園を主舞台に開催されるほたるまつりへ。例年通り駅前口で客を出迎え。