「江戸狂者傳」

 一昨日の毎日新聞を読んで気になった本が中野三敏「江戸狂者傳」中央公論新社三浦雅士評。
「並べられているのは、増穂残口(ますほざんこう)、志道軒、百菴(ひゃくあん)、大我、龍草廬(りゅうそうろ)、釈蘭陵、服部蘇門、大江文坡(ぶんぱ)、天愚、土卵、亀齢軒斗遠、斎藤秋圃(しゅうほ)の計十二名。儒者、僧侶、俳人などさまざま。」
 日本古典文学大辞典に大方の名前があるというけど、知らんわ、こんな人たち。
「近世文学史の欠を埋めているわけだが、要はそこにはない。雅が俗を取り込む過程が狂として見えてくる彼らの生き方にある。残口、志道軒をはじめ、小説を読むより面白い。」
 そうなると気になる。
「『徂徠を人語を解する鸚鵡(おうむ)の如き心しか持たぬ俗儒・腐儒とこきおろす』大我」
「海保青陵の経済論に決定的な影響を与えたのは希代の法螺(ほら)吹きと思われていた天愚」
「江戸は膨大、奥行も深い。」
 ふーん。お値段は9240円。

 ブックオフ長泉店で二冊。「寺山修司の世界」新評社1983年初版、茨木のり子「おんなのことば」童話屋1999年18刷帯付、計210円。