緑色・グリーン

 昨夜九時過ぎ、知人から呼び出しの電話。自転車で二十分ほど行ったところで待ち合わせ、エスニック雑貨店 TEKE TEKE の女主人の自宅へ案内される。彼女のご亭主はオーストラリア先住民の楽器やペルーの箱型の楽器などを器用に演奏してみせてくれる。ほお〜。奥さんは鮮やかな緑色のタンクトップ姿でラテン系のノリのいい方。ダンス音楽で私と二人軽く踊ってしまった。残った男二人は芸術談義。
 奥さんの緑色の服を見て思い出したのが、呼び出されるまで読んでいた井狩春男「本屋通いのビタミン剤」ちくま文庫1993年。
「ボクはその人達がデザインする本に一つの共通点があるのを発見した。それは、グリーンを基調とした装丁がほとんど無いことである。ひょっとしたら、これは"売る物"を作る側の常識かも知れない。女性服のバーゲンセールの時に、出されているものにグリーンが多い。売れ残る色なのである。おもちゃの世界では、原則としてグリーンのものは多くは作らない。」19頁
 そのグリーンを着こなす奥さんはたいした人だ。

 静岡新聞朝刊社説「静岡市の新美術館」は「広く市民のアイデアを」。静岡市立美術館が2010年に開館するという。へえ〜。話題の金沢21世紀美術館の「〇五年度決算は支出八億六百万円、収入二億七千九百万円。」「わずか二年で入館者三百万人」といってもこれだ。「企業ならば倒産」。
「美術館の評価は開館五年以上たたなければ分からない。十年、二十年後にやっと価値が分かるというものだ。」
 そのとおりだと思う。K美術館は五十年後の評価を考えている。私の死後のことだけど。

 オーストラリアのネットアイドル? Moshihino がテレビ番組セーラームーンのエンディングをアカペラで歌っている。思わず微苦笑がこぼれる。好みの歌が同じとは〜。