25歳

 昨夕は閉館後に知人の車で隣の長泉町のコミュニティホールでの絵画愛好家のグループ展へ行った。二点面白い油彩画(十ニ号)があった。愉快な絵と聞いていたが、たしかに。群れている十匹ほどの子豚が描かれているだけど、その構成といい、前面に広がる地面の処理といい、おそらく無意識に処理したのだろうけど、ウマイ。去年の奨励賞という60号ほどの人物画はつまらない。今の彼女には10号ほどの作品が向いている。今年に入って腕を伸ばしたようだ。なにせまだ25歳。上手下手ではなく、その感覚認識に期待する。八月に催す展覧会には25歳の男女が出品する。できればこの女性にも出品願いたいね、と知人と話す。25歳という年齢はなにか魔術的な時なのかもしれない。青春は現実には去り、でも自分は去りがたい。端境期。大人への過渡期。
 きょう月曜日の視察のお礼のメール。
「私も含め、同行しました4人の学生も、
 本当によい刺激を受けることができました。
 ありがとうございます。」
 この東京農工大の院生も25歳。就職が内定している彼にも、そんな過渡期の迷いのようなものを感じた。私の25歳も揺れに揺れていた。嵐の中の難破船のようだった。沈没寸前の日々だった。その船は今では老朽船。

 昨日取り上げたほるぷ出版の英語の絵本復刻本は跡形もなくなっていた。やれやれ。山口雅也キッド・ピストルズの冒涜」東京創元社1991年初版、山田風太郎を二冊、「黒衣の聖母」ハルキ文庫1997年初版、「夜よりほかに聴くものもなし」廣済堂文庫1996年初版、計315円。