五合目

 昨日も午後八時二十分に床に就いた。十時半着替え。それからは大汗はかかず。午前零時台所の床にしゃがみ、冷蔵庫から赤ワインを取り出して少し飲む。なぜかワインを飲みたくなった。思い出す、キッチンで食べ物を喉に詰まらせて死んでしまった女性を。アルコール依存症の人だった。三十年余り前、小田急新百合ヶ丘に新居を構えた新婚さんを訪問したとき、駅前のあまりの田舎に驚いたが、今度はあまりの変貌ぶりに驚いた。ご近所に阿部薫鈴木いづみが住んでいると彼女は言っていた。三人とも死んでしまった。彼女の息子はその後自殺してしまった。遺された父と娘。台所で酒を飲むとロクなことを思い出さない。
 午前七時過ぎになんとか起きる。風呂に入る。朝ごはんを食べる。天気がいいので自転車で来る。昨日知人女性からいただいたドリンク剤を飲む。風邪は悪くなっていない。体力は五合目まで落ちている。