「捕食圧」

 毎晩帰宅が遅いので、読書と音楽から遠ざかった生活をしている。でも新聞だけは読む。今朝の静岡新聞の書評、ドナ・ハート/ロバート・W・サスマン「ヒトは食べられて進化した」化学同人長谷川眞理子評から。
「多くの人類学者は、人間が動物を狩猟することが、人類進化の大きな原動力だったと考えてきた。本書では、逆に、人間が猛獣に狩られることこそが、人類進化の原動力だったと論じる。」
「猛獣に食べられるという『捕食圧』こそが、人間を人間たらしめたのだと論じている。これは新しい仮説だ。」
 じつに魅力的な仮説だ。捕食される現実とその恐怖からいかに逃れるか。ラスコーの壁画などは、その捕食される恐怖からの反転攻勢を願って獣の狩猟が描かれたとみることもできる。現実の片側を描いたものかも。

 お昼、小杉さんの家族が来館。午後、村松茂氏が来館戸外の門を制作、太田宗平氏が巨大な童と木馬を搬入、山本利治氏が鉄のオブジェを搬入、一個は室内一個は屋外に設置。四宮浩司氏が椅子に苔を生やしたオブジェを運び込む。渡邊玉星・日野美奈子さんがいけばなを設置。他にも続々来館。あたふたあたふた。

 皆さん静かに制作と作品設置に苦心されている。忙中閑有り。私はのんびりとパソコン画面を見つめている。なあ〜んて時間は速やかに過ぎ去ってしまう。