休館日だけど

 昨日の毎日新聞読書蘭、藤井省三村上春樹の中の中国」朝日選書の張競評から。
「音楽や絵画などその他の表象芸術と同じように、文学のテキストはつねに二重の判断基準ではかられている。ひとつは芸術領域のなかの物差しで、ひとつは鑑賞者あるいは読者の『期待の地平』である。」

 昨日の静岡新聞読書蘭、ジョー・D・プライス「若冲になったアメリカ人」小学館狩野博幸評から。
「芸術を生む苦しみなどと簡単にいうが、苦しみなどなくても芸術が生まれることを若冲は実証したし、若冲を外国人で初めて肉体で感じとったのが、資産家の父親のひざ元で機械工学や建築を学んでいたプライス氏であったことは、いわゆる芸術的神話の無化を示していて興味ぶかい。」

 休館日だけど、女子高生の美術部に見せたいというので午前十時前に開ける。ほどなくして出品している大森泉氏と女生徒六人が来館。市川直二郎氏も来館。六人に好みの作品を答えてもらったら全員ばらばら。これはいい。私自身、好みは日々移り代わって行く。