晩秋

 晩秋を感じる。華やかに咲き誇っていた小菊畑は半分ほどが茶色に枯れている。菊は霜月の花だ。そんな菊のような体調なので、きょうは真冬の格好で来る。汗ばんでしまう。昨夜は早く寝ようと蒲団に入ったけど、読みかけの霞流一「屍島」ハルキ文庫をついついおしまいまで読んでしまった。殺人事件は十一月下旬に起きた。今読むのにピッタリ。相変わらずの本格バカミステリでオモシロイ。横溝正史「獄門島」を読んでいれば一層興が乗る。こういう本だと一気に読み通してしまうのだけれど。

 同じく昨日買った「吉行淳之介 心に残る言葉」文藝春秋にはこんな言葉。
モダニズムというのは、流行している時期にはスクラップを展示しても、そこから光が生まれてくることがあったが、時間が経つとただのスクラップになってしまう。」46頁
 同感。賞味期限がとっくに切れた現代美術のなんと多いことか。美術館が粗大ゴミ集積場と化している。

 昼食後自宅へ戻る。NPOを研究している立教大学教授に 三島市民活動センターで会い、 グラウンドワーク三島の聞き取り調査へ協力する。午後五時半、美術館に戻る。