休館日・小晦日

 昨夜、ブックオフ三島徳倉店へ自転車で行った。宇野信夫「うつくしい言葉」講談社1983年初版帯付、二階堂黎人「猪苗代マジック」文藝春秋2003年初版、森見登美彦四畳半神話大系太田出版2005年初版帯付、山折哲雄「日本人の情感はどこから来るか」草思社2003年初版帯付、「ことばの道草」岩波新書1999年5刷、有栖川有栖「マレー鉄道の謎」講談社文庫2005年初版、鮎川哲也・編「犯罪交差点」徳間文庫1983年初版、山口雅也「奇偶 上・下」講談社文庫2006年初版、計945円。買ったなあ。迷ったら買え、で買ってしまったわい。「マレー鉄道の謎」「奇偶」は新書で持っているけど、文庫のほうが好きな活字体かつオマケの文もある。
 森見登美彦四畳半神話大系」をぱっと開いたらこんな文章。181頁〜182頁。
「そもそも私はこの女性特有のなんだかよく分からないふくらみに男たちが右往左往することについて、奇妙な感じを抱いていた。しばしば映像的な方面から考察を重ねてきたが、なぜ我々の意識が『乳』というあんな単純にふっくらしているだけのものに左右されるのか、その謎は解けない。」
 私も未だに分からない。分からないから……。この先省略。

 知人のウェブサイト、今年読んだ「一推し本」の依頼に応じて、中村うさぎ「私という病」新潮社2006年と林望「書藪巡歴」新潮文庫1998年を挙げた。

  中村うさぎ「私という病」新潮社2006年
世の女性ライター、エッセイストの殆どが性風俗の取材では自分は安全地帯ににて、現場で働いている同性女性に同情や共感を寄せるように見せて一本の本を作り上げているのにたいして、中村うさぎはデリヘル嬢を実際に体験し、そこから書いている。故にでもないが、彼女の姿勢とあいまって、じつに新鮮な本になった。知人女性にも読ませてしまった。よかったのかな? 全ての善男善女に読んでもらいた〜い。

  林望「書藪巡歴」新潮文庫1998年
近世書誌学者による古書を巡るエッセイ集。和む本でもあり、学者の世界のイヤラシサも垣間見える本でもある。巻末の「語釈」だけでもブックオフで105円で買う価値がある。

 午後は美術館でお仕事。ニ階の北一明展示室の障子の張替え。障子紙は昨日剥がしておいたので、きょうは障子紙を張る。作業終了。やれやれ。