謎掛け謎解き

 昨夜、去年我が家で歓談した女性から電話。
「今年初めての電話だね。」
「最近、お酒を飲んでないんですよぉ。飲めなくなっちゃって。今、ブコウスキーの本を読んでいるんですけど、面白いです。『街でいちばんの美女』がよかったです。…お部屋にブコウスキーの写真がいっぱいある本がありましたよねぇ。」
「うん。『ブコウスキーの酔いどれ紀行』ね。写真がいっぱい。……これ、あげるよ。ブックオフで105円で買ったものだから。」
「わあ、嬉しい!」

 ジェイムズ・P・ホーガン「星を継ぐもの」創元SF文庫を再読。四半世紀ぶりに読んだので筋は殆ど覚えていないけど、エピローグは印象に残っていた。再読しようと思い立ったのは、他の文庫に挟まっていた「2001年4月新刊案内」の「有栖川有栖笠井潔北村薫が決める本格ミステリベスト30発表!」にこれが入っていたから。SFからはこの一作のみ。SFにして本格ミステリとは気づかなかった。息もつかせぬ展開。鏡明の解説から。
「月面で、真紅の宇宙服を着込んだ死体が発見される。それは人類が生まれる以前から、そこにあったのだ。はたして、何者なのか、その死体は。」
「読んでいる内に、胸がワクワクしてくるのだ。」
「いったいそれは何者なのか、それではじまり、その謎を解明し、それで終わる作品」
 本格推理小説だ、これは。
「常識で考えて当然と思われることが現実にはそのとおりでないという場合、どこが間違っているかを突き止めるためには独創的な発想が必要だ。」115頁
 独創的な発想の小説だ、これは。

 ブックオフ長泉店で二冊。小田晋「狂気の構造」青土社1992年初版帯付、グレッグ・イーガン「宇宙消失」創元推理文庫1999年初版、計210円。