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 今朝はアナログカメラ片手に寄り道道草をした。トマソン(路上無用面白物件)を何件か撮る。しもた屋のブリキの錆び付いた壁は「さび付きた〜い」がピッタリ。久世光彦が「女神」で書いていた、中原中也小林秀雄大岡昇平らを夢中にさせた女性ムウちゃんこと坂本睦子が子どもの頃住んでいたという林光寺裏の低地を歩く。多分この辺だろうなあ。しばし感慨に耽った。冬枯れの侘しい風景がいかにも、だ。

  新聞と文庫とラジオ冬日和  藪ノ内君代

 毎日新聞朝刊一面に載っていた俳句。昭和を感じさせる作品だ。

  冬晴れの百年前を散歩する  藪ノ内君代

 今朝の気分だ。昼になっても寒い。参ったなあ。
「人間の心がいかに身体の影響を受け、身体と一体になって生きているかは、毎日のなかで実感することができる。病気になれば悲観的になり、運動能力が高まれば世界を見くだすような気分になる。」(山崎正和「文明変遷の逆襲」より。『世紀を読む』朝日新聞社2001年刊所収)
 まったく、朝の勢いはどこへやら。午後は炬燵ならぬ破れ棺おけに両足を突っ込んでいる気分。