三年十年二十五年

 昨晩知人の車に同乗してブックオブ三島徳倉店へ。吾妻ひでお失踪日記イーストプレス2005年 4刷帯付、泡坂妻夫「からくり東海道」光文社1996年初版帯付、大野晋・他「東日本と西日本」洋泉社MC新書2006年初版、「現代漢和辞典」大修館書店1999年3刷、計420円。
 「失踪日記」をやっと入手。半額棚を眺めては「早く落ちろ〜」と呪文をかけていた(嘘)。以前は十年一昔、今は三年一昔とか。三年経てば105円。三年寝太郎で正解。「漢和辞典」は別の知人からの頼まれもの。ハンディで活字が大きいものという難しい条件。これは見出しの字が大きめで、そばにいた眼鏡の知人に見てもらうと大きいと言う。これで行こう。

 三年待てば105円。値段は三年で変る。K美術館は十年経って中国の人から高く評価された。近々中国北京でのグループ展に出品する上條陽子さんは、大学教授で中国美術家協会理事からあのように評価されたということは凄いことよ、と言う。日本で評価されるにはあと十年かかるかも。十年寝太郎か。チト待ちくたびれるなあ。
 上條陽子さんは来月、IBM川崎市民ギャラリーで企画展を控えている。

 月末に寺山修司の未発表歌集 「月蝕書簡」が出る。没後二十五年にして日の目をみる。
 「寺山修司青春歌集」角川文庫1972年刊の解説に中井英夫は書いている。
「消えない歌人のふしぎさはいやというほど例のあることで、墓の中に横たわりながらも、いま一度どうしてもという使命感につらぬかれたときだけ、巨人ゴーレムさながらに土をふりはらって起きあがればいいのだ。」

 午後四時前、曇天から雨。

  たった一人の長距離ランナー過ぎしのみ雨の土曜日何事もなし  寺山修司