様式と内実

 今朝も寒! 氷点下四・一度。今冬最低気温。
 エドヴァール・ムンクの画集(「ファブリ世界名画集37 ムンク平凡社1969年)にこんな記述。
「1912年に、ムンクの作品はケルンで開かれた国際展に出されることになった。セザンヌゴッホ、ゴーガンのほか、現存作家としてはピカソムンクが陳列されたが、ドイツ表現主義の先達としてのムンクの位置が、これで確立したものといえよう。しかしこの頃には、若い表現主義者たちの様式は、ムンクをはるかに超えてしまっていた。自作32点をたずさえてケルンへ出かけていった彼は、ふかい衝撃をうけ、『彼らの作品にくらべると、私などはまったく色あせ、古典的にみえる』と歎いた。」
 ドイツ表現主義ブリュッケ展の図録(1991年)を見ると、表現様式はムンクよりも過剰になっている。けれども、内実の深さではムンクにかなわない。表現様式の斬新さは時代が過ぎれば褪せる。表現の特異な様式だけで末永く人の心を感動させ続けることはありえない。当たり前のことだけど、絵には内実が伴わなければならなない。その内実がモンダイなんだなあ。

 ブックオフ長泉店で四冊。日明恩(たちもりめぐみ)「埋み火」講談社2005年初版帯付、野口武彦新選組の遠景」集英社2004年初版帯付、サラ・パレツキー「ブラック・リスト」早川書房2004年初版帯付、同「ウィンディ・ストリート」早川書房2006年初版帯付、計420円。四冊とも美本。ウレシイ。

 そうか、きょうはバレンタインデーか。昨日チョコレートを買ってしまったワタシ。まあ、関係ネエわ(ヘンに強気)。

 吾妻ひでおの「失踪日記を読み始めたら 止まりません。」と貸した知人からメール。そうだろうなあ。