みどりの日

 富士山は、降った雪で残雪部分が分厚い純白に。初夏の陽光を受けて地肌の青と好対照なまぶしい白。木々の初々しい若葉は伸び盛りの青葉へ。青葉繁れる。

 クレマチスの丘の木村圭吾美術館が無くなったと聞く。ネットで検索すると、3月25日をもって閉館。たった五年間の開館。行かぬ間に終わっちゃった。何年か前、知人の彫刻家のアトリエを友人たちと訪問した時、そばの木村圭吾のアトリエに歌手の今井美樹が来ていると教えられ、一同そっちへお邪魔しようか、と浮き足立った。彫刻や絵画よりも生身の人間か。そりゃ、そうだ。

 初老の病気がちなヒトというのが、女友だちの娘さんの、私の印象。他人様から観ればそうだよなあ、と思う。毎日新聞静岡新聞の双方に菊池成孔大谷能生「M/D マイルス・デイヴィスIII世研究」エスクァイア マガジン ジャパン評が載っていた。4935円、「江戸時代の箱枕のごとき本書」(小沼純一)。「東京大学アルバートアイラー」の続編という位置づけだというが、それ読んだけど、浅学な身にはよく理解できなかった。テレビでも菊池成孔のマイルス論を視聴したが、同じ。ああ、老境に入ったか。
 カセットテープにダビングした寺内タケシとブルージーンズのテケテケ・エレキ演奏の「レッツ・ゴー運命」「津軽じょんがら節」「チゴイネルワイゼン」「10番街の殺人」などを聴く。オリジナルやその分野の正統的な演奏と聞き比べると、いかにも昭和歌謡だなあと思う。Jポップと呼ばれる薄い歌とは違う濃厚味だわ。これぞノスタル爺。いやノスタル自慰か。いやはや。

 痴呆公務員は、どの地方にも満遍なくいるのだなあ、と思うきのうきょう。