5月20日(火) 企画展初日

 昨夕は久しぶりに近所の古本屋へ。井上ほのか「アイドルは名探偵」講談社X文庫1988年2刷、戸板康二「才女の喪服」河出文庫1987年初版帯付100円、森有正「遙かなノートルダム」角川文庫1983年初版帯付120 円、計270円。
 それから現像を依頼してあった写真を受け取る。現像した彼からは、昼に依頼した時に写真集をいただいた。先だって彼も連れて行った、裾野市の鉄工所鈴木製作所で彼が撮った写真をまとめたもの。白黒写真がいい味わいを出している。昼過ぎにこれを見た雑貨店テケテケの女主人は「私も写真を撮りに行きたい!」

 毎日新聞昨夕刊、ジャズバイオリンの寺井尚子の言葉。
「ジャズの世界に感動と官能を取り戻したかったの。」
 ジャズにはまるで感動がなかったような。彼女の演奏に欠けていたのが、その二つではなかったか。なんて言っちゃって。その記事の隣は川崎浩「ポップス」。
「万人が年を取る。これが『熟成』につながるか、『老廃』になるか。高齢者を前後期に分ける世の中になればなるほど、人生の考えどころとなってくる。」
 定年退職者にカメラマニアが多いとか。私はフィルムカメラで写真を撮っているけど、何を撮るかが一大事。トマソン物件、工場風景、廃墟、ダム、巨大仏、高圧送電鉄塔からゴミ箱といった昭和世間遺産まで、興味は尽きないけど、まだ誰も撮っていない場所を撮りたい。それもこの生活の範囲内で。林望東京珍景録」のようなもので、そんなオカシナ場所を探し歩いている。知人は路地裏探検と呼んでいるけど、探せばあるある。現像された写真を眺めて一人悦に入るだけでは勿体無いので、知人に見せると「ここはどこ?」とまず訊かれる。場所を教えると「へえ〜!」と驚かれる。それが快感。まあ、官能とは違うな。

 毎日新聞朝刊、「仲畑流万能川柳」から。

  部外者はそんなことでという離婚  触太鼓

 離婚した女性、離婚を考えている女性たちの話を聞くと、「そんなことで」はない永い歳月の果ての決断だと納得。部外者からはうかがいしれない心の深い闇と、夫婦間のずれてしまった深い断層がある。

 午後、有線テレビの企画展撮影取材。見送ってからブックオフ長泉店へ。麻生芳伸 編「落語百選 秋」ちくま文庫1999年初版、渡辺哲夫「知覚の呪縛」ちくま学芸文庫2002年2刷、計210円。