梅雨の晴れ間

 虫歯には子どものころからずっと悩まされてきた。美術館を始めてからは、それまでの甘味処の仕事とは違って甘いものには縁がないので、虫歯に悩まされることが激減した。先だって奥歯が痛んだけど、これは虫歯ではなく、疲れからくる痛みと判断して養生していたら、いつしか痛みが消えていた。このような痛みならいいけど、こんな天気のよい日にはなぜかしら心が沈む。これぞ原因不明。初老の鬱? なあんて。あまりに明るいとそれを素直に受け入れられないひねた性格なもので。

 ブックオフ長泉店で二冊。工藤直子「のはらうた III 」童話屋2000年37刷サイン入り、水上勉「虚名の鎖」光文社文庫2007年初晩、計210円。前者からひとつ。

    まつり   ほたるまどか

  こんやは かわべのまつりです
  ひかってひかって おどります
  こころが どきどきするたびに
  ひかってひかって おどります

 ぱらぱらと読んでいると、心が自然に和らいでくる。書いてしまおう。105円本に某美術年鑑2005年版もあった。物故作家の項の安藤信哉を見ると、150万円の文字。うへええ〜〜。それ何を意味しているか、知らぬ存ぜぬ。