和風探索

 山口昌伴「和風探索 にっぽん道具考」筑摩書房1990年を読んだ。座蒲団、火鉢、炬燵、踏み台、卓袱台、畳、鯉幟、鏡台、針箱、障子、襖、蚊帳、簾、縁台、風呂敷、柳行李、箪笥、あかり、電灯笠、便器、瓦、垣根、箒、注連縄の、ちょっと昔にはどの家庭にもあった日常道具二十四品の来歴と消息。

 卓袱台は大好きで、安価なものを使っているけど、
「ただしこれは、近代日本の『和』である。実はこれ、近代の『洋』に対するものとして、近代が生み出した和の感覚だった。」
「わたしたちが日本の生活の原風景のようになつかしさをこめて思い出す卓袱台は大正期に普及をはじめ、戦前昭和に普及を遂げたものであった。それに先立つのは銘銘膳の時代であった。」
 簾に関して。
「和の風のものの見方の特徴は正確に見ず、あいまいさを残すことにあった。和の風のものの言い方にもそれは共通する。あいまい性を高めるためのインテリア素材、すだれ。それは格子、連子(れんじ)とともに日本の文化全体の特性を、見事に具体物に置き換えた、和の象徴といってもよい。」

 昨日の毎日新聞朝刊、仲畑万能川柳も気に入ったものがあった。

  エコバッグもらってたまってゴミとなる  福 久