企画展初日・階段

 公式には午前十一時開館だけれども、午前十時には開けている。公式開館時間前にきょう初めての来館者。若い女性。そこへ東京新聞の取材。彼女にモデルになってもらい、写真撮影。きょうは甲府市からも来館者。嬉しい初日。

 自分の考えていることは他の人も考えている。よって機先を制することが喫緊の課題。味戸ケイコさんの美術館構想も、私が味戸さんに提案したのは一九八○年のこと。それからいくばくもなく、長野県に味戸さんの美術館を建てたいという申し出が味戸さんにあった。先行していた私を、味戸さんは選んだ。
 最近注目しているのが階段。赤瀬川原平らによるトマソン第一号の「四谷階段」からずっと気になっていたのが屋外にある共用コンクリート階段。坂道はタモリをはじめ多くの人が写真に撮っているけど、階段はあまりいないだろうと、近所近郊を自転車で廻って探しては写真に収めていた。ところが、昨日の毎日新聞夕刊に「東京の『階段』を研究」なる記事。早稲田大学の教員松本泰生が「東京の階段─都市の『異空間』階段の楽しみ方」なる本を出版していた。
 東京の階段からまず連想するのは、篠山紀信「TOKYO未来世紀」小学館1992年にある六本木の階段。これはまさしく「異空間」。それとは違った、たんにオモシロイ階段物件を、私は探している。これは趣味趣味。