まだまだ真夏日が続く。濃い影を長く引く晩夏光のもと、群生する向日葵の垂直に長く伸びた茎に載る大きな花は、すべてが黒く変色し、うなだれている。「水を〜」と渇望している焼死者のようであり、無明の他界へ墜落する漆黒の破れ目のようでもある異様な光景だ。葛原妙子から名歌二首。
晩夏光おとろへし夕 酢は立てり一本の壜の中にて
他界より眺めてあらばしづかなる的となるべきゆふぐれの水
ブックオフ長泉店で二冊。興津憲作「英語活用 スペイン語入門」白水社1981年初版、飯嶋和一「雷電本紀」河出文庫1996年初版、計210円。