迷路の水の都

 アンリ・ド・レニエ「水都幻談」平凡社の表紙にも引用されている「幻覚」からの詩句。

「げにこは妖しくも不思議なる地にあらずや。その名を聞くだに逸楽と憂愁の想ひ胸に湧く。試みに言ひ給へ、《ヴェネチア》と。」

 昨夜、そんな詩句を口ずさんでいて、俄かにブックオフ三島徳倉店へ行きたくなった。暫く行っていない函南店ではなく、なぜ三島徳倉店か。函南店は、国道136号線を一直線に南下するだけで単調きわまりない。三島徳倉店へは幹線道路の「その裏手に入り組んでいるひそやかな小路をたどって行くときの、変化に富んだ、町の日常の表情が好きだった」(「水都幻談」矢島翠の解説)から。
 行って正解。「初山滋画集」講談社1977年初版、「日本の童画7 味戸ケイコ、ほか」第一法規1981年初版は各200円。どちらも持っているけど好きだし美本なので。計400円。
 105円棚から鮎川哲也「二つの標的」出版芸術社2006年初版、奥泉光「『我輩は猫である』殺人事件」新潮社 1996年初版帯付録付、海堂尊たける)「ナイチンゲールの沈黙」宝島社2006年初版、出久根達郎「お楽しみ」新潮社1996年初版、「名作挿絵全集3 大正・現代小説篇」平凡社1980年初版、「名作挿絵全集10 昭和・戦後現代小説篇」平凡社1981年初版、木村尚三郎「西欧文明の原像」講談社学術文庫1988年初版、計735円。合計1135 円也。満足満足。

 きょうは昨日買った上記画集を鑑賞していて気づけばはや夕暮れ。そういえば世間では休日だ。