9月22日(月) 休館日 「北欧のヴェネツィア」

 毎日新聞朝刊、「人」は「『地球は冷える』と主張する地質学者」丸山茂徳(しげのり)。
「太陽活動はすでに弱くなっている。『これからは寒冷化に向かいます。私が正しいかどうかは、5年後に決着がつくでしょう』」

 彼の考えを私は支持したい。温暖化キャンペーンには胡散臭い感じがつきまとう。

 昼、12月に企画展をする林由紀子さんからチラシができたとの電話。さっそくアトリエを訪問。題は「蔵書票職人の贅沢貧乏」。彼女の制作した銅版画蔵書票をコラージュして、白黒一色だけれども賑やかな画面になっている。
「本と版画の出会い」
耽美派のEXLIBRIS」
「注文制作・完全手作り」
「技法は彫刻銅版+手彩色」
「書斎の中の小宇宙」
「趣味の装丁」
「愛書家のお供に」
 といった言葉が独特な書体で書き込まれている。打ち合わせがすんで、ヴェネツィアの話題になり、アンリ・ド・レニエの詩集を話題にすると、これは窪田般彌も訳していると林さん。となると「北欧のヴェネツィア」ベルギーのブリュージュを舞台にした、G.ローデンバッハの小説「死都ブリュージュ」冥草舎1976 年は彼の訳だから、窪田般彌は二つの都市を描いた作品を翻訳していることになる。二つの水の都をいつか行ってみたいね、と二人で語らう。
 ブリュージュといえば、ベルギー象徴派のフェルナン・クノップフの絵だ。例えば「みすてられた町」1904年。それから横溝正史賞の服部まゆみ「時のアラベスク」。角川文庫の解説で戸川安宣は書いている。
「かくして、版画家推理作家という我が国には類例を見ないタイプの新人が出現した。」

 故服部まゆみさんは銅版画家だったけど、2002年に「木口木版画家推理作家」柄澤斎が「ロンド」東京創元社で出現。どちらの単行本も、おのおのの作品が表紙を飾っている。