葉書一枚の波及力

 昨夕、美術評論家椹木野衣氏からいただいた絵葉書をグラウンドワーク三島事務局へ持参し、まず年長の女性に見せる。横の若い女性は、サワラギ・ノイという言葉を聞いて眼を輝かせる。なんと教科書で読んだ人だという。そんなすごい人からの葉書! 彼女、ワクワクして手にする。皆、へえ〜、凄いね、と祝福してくれる。味戸ケイコさんの展示をレイアウトをした内野まゆみさんも大喜び。絵が良いからよ、と彼女は言うけれど、彼女が企画した全点ガラス、額無しの展示だからこそ、微妙な表現までよく見通せて、観る人を惹きつけたと思う。この嬉しさは寝ている間も打ち寄せる波のように続き、大勢の多国人が一緒になって踊っている夢までみた。鬱々していた心の栓がスポーンと抜けて爽快な青空が広がった。葉書一枚の絶大な波及力を全身で強く実感。生きていく力が湧出する。毎日新聞昨夕刊の特集ページは「人生は夕方から楽しくなる」。もうじき五十八歳。これだなあ。

 朝、富士山を仰ぎ見る。白雪をティアラのように戴冠している。すっと立つ、美しく揺るぎない姿にあらためて感動。

 毎日新聞昨夕刊に「TOTOトイレ川柳」の記事。最優秀賞がこれ。

  コンコンコン トントントントン ドンドンドン!  咲

 毎日新聞朝刊、神西清の小説集「雪の宿り」港の人への堀江敏幸評から。

「未完成な形すら必然と感じられるほどの、あやうい言葉の揺らぎがある。」