近所の古本屋で都筑道夫を二冊。「新 顎十郎捕物帳」講談社ノベルス1984年初版帯付、「新 顎十郎捕物帳2」講談社ノベルス1986年初版、計210円。ブックオフ長泉店で三冊。桐野夏生「ファイアボール・ブルース」集英社 1995年初版、安岡章太郎「観自在」世界文化社2005年初版帯付、日本推理作家協会・編「ミステリー傑作選 孤独な交響曲」講談社文庫2007年初版、計315円。
安岡章太郎「観自在」をぱらぱらと読む。「岩佐又兵衛──幻想と母性思慕」1982年に惹かれた。
「人をたのしませるものが芸術であるといっても、単にそれだけでは芸術にはならない。或る豊かなもの、突き抜けたもの、何かそういうものがなければ本当に人の心をつかむことは出来ない。」
この一節、帯でも紹介されていた。彼の本は、「幕が下りてから」1967年を出版当時に読んだきりだ。巻末のエッセイ「田村義也の装幀について」から。
「ただ、彼の装幀を鑑賞しようとする人は、どうか右に述べたことに気をとめて、意匠の底にあるものを見て貰いたい。」
「幕が下りてから」の函と表紙が印象に残っていたが、「造本・装幀 田村義也」だった。