北斎道子個展初日・グルメ

 昨晩、日録を読んだ知人女性から食べものの質問。「不味くなければかまわない」と答えた。凄い美術品を観たい情熱は両手にあまるほどあるけど、美味しいものを食べた〜い!という情熱は指の間からこぼれ落ちてゆく。昨日買った宮下規久朗「食べる西洋美術史光文社新書「あとがき」。

「年とともに飲食への情熱が肥大化し、次第に美術に対する興味を圧倒していった。」

 という御仁もいる。毎日新聞昨夕刊、「『食』の格付け是か非か」で料理評論家山本益博は言う。

「グルメというのは、料理人やお店とうまくコミュニケーションを取れる人を言います。料理の味が分かる人がグルメではないのです。みんなと一緒に食卓を囲んで、食事を楽しめる人がグルメ。」

「一方、宴会にも目がなく、皆で歌い騒ぎ、焼酎やワインを浴びるほど飲んでは、最後は何をしゃべったかおぼえていないくらい泥酔してしまうのが何よりも楽しかった。」

 と記す宮下規久朗は、やはりグルメの一人だろう。

 秋空のよい天気。清新な気持ち。内野まゆみさんレイアウトのこの展示は、観客にどんな印象を与えるか。開館早々、女性男性が次々に。賑やかで華やか。愉しい会話。うーん、気持ちいい。美しい夕日だ。

 日本のバブル崩壊後のジョーク。
「笑っていこう。きょうは明日ほど悪くない。」