五十八歳

 五十八歳の誕生日。よく生きてきたものだ。スカッとした秋空。祝福されているよう。(誰に?)

  本日は晴天の霹靂なり  田原慎一郎 「御教訓大全」PARCO出版 400頁

  本、実は性典なり  草葉アキラ  同上 173頁

 ダシール・ハメット「ガラスの鍵」創元推理文庫を読んだ。味わい深い大人の小説といった印象。ハードボイルドの見本だ。「血の収穫」「マルタの鷹」よりも「ガラスの鍵」が、私好み。ニヤッとさせる気の利いたセリフがいくつもある。

「あのお嬢さま、いまにも泣き出しそうな顔で出て行かれましたよ」
 ネド・ボーモンは頭を枕の上におろした。「どうも腕がにぶったらしいな。いつもなら上院議員の娘一人くらい泣かすのはわけないんだが」152頁

 女友だちのきょうのブログ。
「店先で人束◎100円で売ってる花です。」
 いいなあ、人束かあ。北斎道子展、人が束になってやってくる感じ。