人を詠む俳句

 きょうはまた強風。開館直後から次々に女性来館者。

  白し疾し十一月は一紙片  岡本眸

 人を詠んだ俳句を少し。

  菊咲けり陶淵明の菊咲けり  山口青邨

  柿の木の天までのぼれ津田清子  平畑静塔

  西田幾太郎のごとく冬帽掛かりたり  橋間(門がまえに月)石

  本阿弥光悦卯月は如何なもの着しや  藤田湘子

  芥川龍之介大暑かな  久保田万太郎

  うしろ手に一寸(ちょっと)紫式部の実  川崎展宏

 おっと最後のは人物じゃあなかった。今年は「源氏物語」一千年。与謝野晶子谷崎潤一郎円地文子橋本治瀬戸内寂聴などの現代語訳があるけど、私はかなり前に円地文子の訳で読んだ。面白く読めた。